4月からの京王ダイヤ改正で、新しく「準特急」というものができた。
変な名前である。未だに私はこの名称になじめない。
私は子供の頃(それも2歳とか3歳)から、電車が好きだった。電車そのものでなく、その運行システムにだ。
昔住んでいた家の前には近鉄南大阪線の踏み切りがあり、当時は珍しくない踏切小屋が併設されていた。
踏切のオジサンは子供たちの仲間だった。私は、幼児のくせに、このオジサンの電車の話を聞くのがとても好きだった。(今では何にも思い出せないが)
で、電車には各駅と急行があって、その急行はどこで、各駅を抜いてとか言う構造が自然に私のからだの中にしみついていった。
5歳の頃、京阪電車の沿線に引っ越した私は、近鉄以上にややこしい電車の区分けにひとり興奮した。
近鉄は確か、急行と各駅だけだったのが、京阪はこれに特急が増え、準急まであった。
私は、京阪の全線を紙に書き(子供の落書きと同じ)、特急のとまる駅、急行のとまる駅、準急のとまる駅と色分けしたりして遊んだ。
しばらくして京阪に区間急行というのができた。
昭和30年代から、複々線だった京阪電車は停車駅の組み合わせが自然と多くなっていったのだろう。
さて、そういう子供時代を過ごした私が、今、京王の「準特急」を見て、何と中途半端な名称だとあきれているわけだ。
京王にはそれまで、特急と急行、快速(通勤快速含む)があった。
今回、2つ程特急の停車駅を増やし、それを準特急と呼ぶことになったのだが、おそらく鉄道ファンの評判は悪いことだろう。
私なら、快速急行(略称、快急)というように急行に何らかの修飾語をつけるだろう。
決して、特急に、それを落とし込めるような準などというものはつけない。
劣特急とか、半特急と言っているのと同じ。どうにもなさけないのだ。
ということで、京王さんには是非この呼称を改めてほしいのだが、1年ぐらい経ったら自然と慣れるかもしれないので、その時に意見を変えていたらごめんなさいね。
安部邦雄