私の知人でホームページを開設しているのが何人かいるが、皆の悩みはほぼ2つのカテゴリーにわけられる。
第一は、更新が思うようにできないこと。
というか、コンテンツで行き詰まるのである。
最初はあれも載せたい、これも載せたいと思って始めるのだが、電池が消耗するように、更新しようという力が萎えて行くのだ。
放電した後は、どこかで充電しないと続かない。
騙し騙し続けるのだが、だんだん更新期間が延びて行き、3年程でクローズ。
個人のホームページというのは、実にこのパターンが多い。
統計調査はされていないだろうけど、当たらずとも遠からずだろう。
何故、放電するだけのホームページになるのかといえば、たいていは、自分が発信した情報への返りがないからである。
誰かが、何らかの反応をしてくれれば、それをきっかけに又話を続けることができる。
又、反応してくれた人の文章をアップすれば、これも話を広げるきっかけになりうる。
こうしてコンテンツを調達しながら、自分の話も自分の思惑を越えて広がって行ったりするのである。
ただし、ほとんどのインターネットユーザーはROMっているだけだと言うのも事実だ。
「見てるだけ?」なのである。
反応なんか、滅多にしない。
メールを送ったりする確率なんて1/100ぐらいだろう。
それを期待しても無駄なのだ。
そりゃ、人気サイトになったりしたら、全然知らない人から毎日何百通とメールが送られてくる。
そこまで行けば、十分コンテンツは得られるはずだが、当事者に聞くと、メールの半分は面白くも何ともないもので、1/3程度は頭に来るような内容だという。
これは私もよくわかる。
ラジオ番組を作っていて、レーティングをとれていた番組に来る葉書はたいていありきたりで面白くなかった。
200来ようと300来ようと、紹介する価値があるものは数枚程度であった。
反面、前にも紹介した「ラジオ少年派」という番組に来る葉書は毎週2?30通程度であったが、過半数は十分紹介に値する内容のものだった。
だから、「ラジオ少年派」は毎週番組を作るのが楽しみなぐらいだった。
アイデアを募集すれば、どんどん集まって来て、私達はそれを整理するだけでよかったりした。
ホームページも同じだと思っている。
色んな人に見てもらいたい、どんどん感想をもらいたい、そんな気持ちがホームページの全体からにじみ出てくるサイトが多い。
しかし、それは無理だ。
ホームページなんて、私のいたラジオ局の1万分の1も客はいない。
コミュニティFMという、はるかに小規模な放送局だって、反応がないと嘆いているのが普通なのだ。
ホームページの客なんていないと思って運営しないと続かない。
反応をもらって、それをコンテンツにして、それの拡大再生産でサイトを維持するなんてことはありえないと思った方がいい。
サイトの維持に必要なことはただ1つ。
反応があろうとなかろうと、自分をコンテンツにして書き続けることである。
最近は、これをWebログなどと称して、意味を見い出すようになっている。
ある程度の集積があってこそ、意味が出てくるということだろう。
途中で反応をもらって、それをバネに続けて行くなんてのは幻想にすぎない。
幸い、私はラジオ番組でこのあたりのコツを知っていた為、ほとんどの人が失敗するようなホームページを作ったりはしなかった。
だいたい、私どものサイトにはBBSを置いていない。
意見があるのなら、私にメールを送っていただければいい。
反応を書き込める環境を作って、それをコンテンツ代わりに利用する気はこれっぽっちもない。
ホームページを立ち上げたのはいいが、何年かたって、BBSしか実質的には更新されていないサイトが死ぬ程ある。
結局、ホームページ等というのは、素人考えだけでは続けられない職人的なものが存在するのだろう。
こういう話、どこの世界にもよくありそうだ。
素人芸が続かないのと同じように、素人サイトは3年で飽きてしまうのだ。
もし、3年以上続けたければ、、、、あなたがホームページのプロになるしかない。
どの世界でも、アマチュアはアマチュアという純粋さだけでは続かないものなのだ。
これは、企業のホームページも同様であることは言うまでもない。
というわけで、私は意地でも毎日この欄を更新している、中味があろうがなかろうが、続けることが力なのである、これ、勉強でも同じなわけで、10分でもいい、同じことを毎日続けることが学習の極意であると私は思うわけです、安部邦雄