NTTがNTTドコモのiモードに触発されて始めたのがLモード。
さっぱり普及しないと言う。
一番の問題は、家庭の固定電話がすでに淘汰されるプロセスに入っていることらしい。
家庭用ファックスも、買い替え需要がほとんど発生しなくなった。
メールがあるからファックスは不要なのだそうだ。
固定電話の買い換え需要が伸びない以上、Lモードが普及するわけないのである。
もう、固定電話には新たな機能の追加はいらない、と皆が思いはじめているようだ。
私は、一人暮らしの老人用にLモードの活用を考えたのだが、あまり評判はよくなかった。
もっと普通の家庭で普及するためのプランが欲しかったらしい。
私は言った。
「それなら、普及するのは難しいですね。」
生意気いうようだけど、この頃の私の予測はあたるのだ。
インターネット感性論、という概念で語ったことでもあるんだけど、これからの時代に大事なのは感性なのである。
感性として、「重い」ものは普及しないのである。
「軽い」と、心が踊る時、初めて商品は普及する。
頭の中で、あれやこれやと理屈をつけて商品化したものには、ろくなものがない。
今から10年近く前、衛星ラジオの会社で放送コンセプトを作らされた時にもそう思ったものだ。(作らされたというのは立場以上言ってはならないことだけど、正直、こんなコンセプトは作るだけ無駄だと思っていた、)
とにかく、私が重いなあとか、複雑だなあとか思うものはほとんど成功しない。
昨日、当分景気は回復しないと言ったのも、政府がやろうとしていることが、どれも私には重いなあと思うものばかりだからである。
軽くするにはどうしたらいいか、というと、とにかく無茶を承知で今あるものをつぶすことだと思うのだ。
しがらみでがんじがらめのものを残しながら、全体を軽くすること等できるわけがない。
時間をかければ、ゆっくりと景気が回復するというのは、釣りでいう「お祭りの解消」みたいなものだからだ。
とにかく、じっくり、観察しながら、また無理に引っぱったり、いらついたりせず、少しずつやっていけば、そのうち何とか光明が見出せるでしょう、という気持ちでやるしかないと思うのだ。
重いものを軽くすることは、本当はとても大変なのである。
問題を、どこかの処理機にポンと放り込んだら答えが即座に出ると言うものではない。
安易に出てくる答は、重いものを一見軽く見せるだけるもので、本当に軽くなっているわけではないと知るべきだ。
ま、インターネット感性論については、別の場所でじっくり語ることにしよう。(インターネット私見に少し解説があるけど)
ということで、NTTのLモード、設備投資分は全くリクープできそうにない。
ISDNに続く大失敗だろう。
固定電話の契約数は減る一方だし、さてNTTが行き詰まる日はいつ来るのだろう。
国の庇護を受けている事業体はこれから少しずつ淘汰されるという時代に入ったのかもしれない。
結論が出るのは、2005年ぐらいかな。
NTTがPHSを売る為にPDAを狙っているという、何度も言うが、日本ではPDAは個人には不要だよ、PCのアタッチメントとして位置付けてもっと安くしない限り、未来はないと思うけどね、安部邦雄