アメリカの戦争が始まった。
ただ、これを大変なことが起きたと動転している人ばかりではないだろうと思う。
アメリカは第2次大戦後もずっと戦争ばかりしているような気がするからだ。
ベトナム戦争、キューバ危機、ソ連との冷戦、中南米への侵攻、湾岸戦争・・。
実際に戦火を交えなくとも、ありとあらゆるところへ、軍隊を送っている。
イラクとの戦争なんて、その一部でしかない。
ソ連との戦争のように、本気でやれば誰も生き残れないというような結果は考えられない。
ならば、適当にやってくれというしか言うことがない。
今さらイラクのことに口をはさんでも、途中で責任持てなくなるだけなのだ。
しかし、これだけは日本人は戒めておかないといけない。
ブッシュ大統領もフセイン大統領も、どちらも命を張っているということを。
誰も遊び感覚で戦争等していない。
フセインは今、米英の銃口を常に向けられているし、ブッシュも又、世界のテロリストに狙われているのだ。
おとなしくしていたら、誰からも狙われたりしないのに、あえて自分達の名誉をかけて、矢面に立っているのである。
日本の政府の連中、命を張っている感じがする?
日本のマスコミも、ワイドショーも、面白がっているだけじゃないと言われかねないのでは?
日本人も戦争反対とイイながら、自分は当面安全だからと思っていない?
命を張っている連中に、そんな危機感も持たない日本人が何を言えるというのだ。
まだ、イラクに政治的に利用されるだけと言われている「人間の盾」の連中の方が、真実に近い生き方をしているのではないだろうか。
命を張っている連中に、互角に張り合えるのは、命を張って生きている者しかない。
日本政府の悲しさは、その意気込みがまるで国民に伝わって来ないことだ。
こんな連中が愛国心教育を語り、国を守る気概を持てなんて言っても、誰が信用するだろうか。
うさん臭いのである。
自分達は、安全地帯にいて、いいカッコしていたいだけではないか。
命をかけたものの迫力、最近の日本人からはまるで感じない。
何故なら、日本では、そんな悲愴感を持ってはいけないからだ。
命をかけるような対象が何もないからだ。
そりゃ、どこかの国が侵攻して来たら、日本人もただ逃げるだけではないと思う。
命を張ると決めれば、人はそんなに弱くない。
要は、必要もないのに、命を張ることに陶酔しないことだ。
必要もないのに、いきり立つな、ということだ。
さて、今この時、私達はどうしておればいいのだろう。
不馴れな場所でまごつく小市民、とりあえずはそんな状況しか見えて来ないのだが。
普段から何も考えず、身体も動かしていなかったら、どうしていいのかわかるはずもなし、脳の中だけでしか戦争を知らない世代は、見守るしかないのだろうな、安部邦雄