イベントなどをやると実感するのだが、スタッフに頼れる人がいるといないのでは、精神的には大違いなのだ。
私自身は、たいていのところに目が向く方だと思っているが、それでも四六時中どれもこれも対応できるわけではない。
担当の人がいれば、その人を100%信用して、業務をまかせたい。
ところが、この担当の人が頼れるかどうか。
10人担当がいれば、何の心配もなく頼れるのは1?2人程度である。
後の8人は、安心して任せるのは危ない。
アクシデントが起きた時の誘因に、この8人の判断ミスというのが怏々にしてある。
能力はあっても、個々の判断力はまた別なのである。
だから、私は、どうしてもこの8人の仕事に何らかのチェックを入れざるをえない。
アクシデントなんてそんなに起きるものではないが、私がいたのに何故こんなミスを指摘出来なかったのかと後で後悔したくないのだ。
野球の監督をしていたら、やはり欲しいのが有能なヘッドコーチである。
巨人に牧野コーチという方がおられた。
川上監督、藤田監督時代の名参謀である。
最近はあまり話題にならないが、阪急ファンであった私は、全く歯が立たない巨人の強さの裏に、いつもこの牧野コーチを意識していた。
試合が始まれば、監督は専らこの牧野コーチに任せておけば良いのだ。
牧野コーチが、「監督、ここはこうしたいと思いますがいいですか?」
監督は、ただイエスかノーかを言っていればいい。
それが信頼なのである。
プロデュースをやっていて、いつも思う。
プロデューサーは、部下が言ってくることにイエスかノーかを言っていればいいようになりたいなあ。
そういうスタッフを回りに置いておきたい。
そうすれば、私の心労は減り、どんなアクシデントにも完璧に対応ができるようになる。
プロデューサーなんて、アクシデントへの対応しか現場では仕事がない。
本当は、そうありたいと思うのだ。
だが、現実はその8人の仕事のチェックまで気をかけないといけない。
ああ、名参謀がほしい。
頼れる人があらまほしきことである。
イベント疲れが、つい愚痴をこぼさせる、安部邦雄