10年前、私がまだ持っていなくて、今は持っているもの。
携帯電話。
初めて買ったのは、1996年だ。
東京デジタルホンと呼んでいたはずだ。今のJーフォン。
今よりずっと重い電話器で毎日充電しないといけなかった。
地域を移動すると、030ではなく040に頭を変えて再発信して下さいと言われていた頃だ。
ついこの間のことなのに、こんなこともみんな忘れていそうな気がする。
パソコンを会社が初めて買ったのが、1993年。
それまでは、高いオフコンだった。
このパソコンも、パワー・マックの7100で、知り合いから安くしてもらったのだが、それでも50万以上はした。
安くなったものだ。
能力なんて桁違い。
この7100、私とsegawaxがたまに限定的に使うのだが、反応の遅さと言ったらない。
でも、当時はこのスピードでも不満には思わなかった。
マックに罪はない。
私達の意識が変わってしまったのだ。
ある生理学者が言っていた。
あなたの脳細胞は、毎日死ぬものがあったり、新しくできるものがあったりする。
長いスパンで入れ替わり、10年前の脳と今の脳は必ずしも同じではないらしい。
でも、人間は人格は同じだと思っている。
10年前の自分と今の自分は同じだと思っている。
同じなのは何もない。
ただコピーしているだけだ、と。
そうだねえ、そうかもしれないねえ。
10年前なんて、インターネットなんてほとんどの人は知らなかった。
今や、日本の情報量の半分近くがインターネットではなかろうか。
ライト兄弟が飛行機で空を飛び、今やはるかに長い距離を大勢の人を乗せて飛行機が飛ぶようになったが、それでも100年ぐらいはかかったわけだ。
インターネットは10年もかからない間に、当たり前の情報手段になった。
これからどこまで発展するか、想像も及ばない。
2010年、一体私達の状況はどう変化しているのだろうか?
だましだまし、今の状況を続けて行ってほしい、そんな希望を持っている人も大勢いそうだ。
どうなんだろう、そんな気持ちを時代は少しでも斟酌してくれるのだろうか。
あ、また日が変わりそうだ。
未来を語るのは、又明日にしよう。
確かに10年前には、お腹にこんなにぜい肉はなかった、おまえら、どこから生まれて来たのだ、と小一時間問いつめたい、安部邦雄