司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」を読みはじめた。
何だ、まだ読んでいなかったのと言われるかもしれないが、私は今まであまり歴史小説を読んでいないのだ。
まだ20代の頃に、歴史小説や推理小説のような気楽にストーリーを追えるような本はなるだけ読まないと決めていた。
若い頃はなるだけ難しい本、1ページ読むために考えさせられるような本を優先させようと思っていたのだ。
読みやすい本は、年をとってからでも読めるはず。
だが、難解な本は、年をとれば無理になるかもしれない。
だから、司馬遼太郎さんとか松本清張さんとか吉川英治さんの作品は、何か読むべき理由ができない限り、手にしないでおこう。
私も、いつのまにか50を過ぎた。
幸いなことに頭もまだまだ働き、難解な本もおかげさまでさほど混乱することもなく読解できている。
でも、ちょっと気休めに、歴史小説もそろそろ読んでみようかなと思いはじめたわけ。
司馬遼太郎さんの本で今まで読んだのは、エッセイばかり。
「竜馬がゆく」が最初の小説となる。
何で、竜馬から始めたかというと、ドラマ「新撰組」に竜馬が出ていたからという理由だけだ。
何でもよかったわけで、この後、「坂の上の雲」とか「峠の群像」あたりを読んでみようかと思っている。
確かに、これらの歴史小説は読みやすい。
ドストエフスキーのような登場人物が一杯出てきて、何がなにやらわからなくなるようなことはない。
脳にやさしい、歴史小説。
だけど、毎日こんな楽した読書生活を続けていると、確実に人は難解な本を拒否するようになるだろうなと思わないでもない。
気をつけないと、小説ぼけしてしまうかも。
同時に浅田次郎の本とか、司馬遷の「史記」などを読んでいる、読みたい本も一杯あるし、当分ひまつぶしには事欠かない、安部邦雄