ここ何日間、ずっと頭に重くのしかかっていた作業がやっと終った。
某特殊法人が募集する、ベンチャー企業への助成金申請作業に追われていたのだ。
前にも一度、申請したのが、この時は素人というか、まるで要領わからず、結局労力の無駄で終ってしまった。
書類の不備だの、書式の間違いだの、対象期間の算定ミスだの、内容よりも形式問題に悩まされたものだった。
今回は第二回目。
さすがに、学習した私は同じミスは繰り返さなかった。
前に出した内容が、どうも先方の望むものとは違うということを、何ケ所かで行われた説明会に出席することによって会得もした。
早い話、助成金なんて、慣れていないともらえるはずがない。
そりゃ、司法書士とか社会保険労務士とかが、手数料を得る為に暗躍するはずだ。
何しろ、あるサイトでは助成金として受け取った額の30%を手数料としていただきます、などと書いてある。
おいおい、それじゃ、肝心の助成対象事業ができないじゃないか。
最初から、助成対象事業が目的じゃなくて、運転資金に使うつもりなのだろう。
不適切な助成金の使われ方って、今もどこかでやられているんだろうな。
前も言ったと思うけど、日本の助成金とか補助金とか、その使われ方って普通じゃない。
ある特殊法人の人が言っていたけど、ある日いきなり予算がついたから、直ぐに使えなんてお達しが来るらしい。
いきなり言われても、どこに使っていいかわからない。
公募するにも時間がない。
そうすると、既に実績のあるところへ丸投げ。
使い道は大体こう、適当に書類作って、適当に処理して頂戴。
結局、施行された事業というのは、穴を掘って、それを埋め戻すとしか思えないような意味のないものだった。
それでも、所定のところに金がまわるからいいのだ、これはケインズも言っていることだ。
しかしねえ、こういうのって私は親から無駄、と教えられましたがねえ。
ある人も言っていた。
補助金や助成金がついた研究よりも、自分の金を使った研究の方がたいてい中味がある。
研究を早く金に替えないといけないから、いい加減な研究はしないし、無駄な金の使い方をしない。
国の金で研究していると、インセンティブがあまり働かないから、研究して終りみたいなものが多くなるという。
まあ、そうかもしれないね。
さて、今回は落ち度なく、何とか申請は終った。
もらえるのなら、早く欲しいなあと思う今日この頃。
とはいえ、助成金の採択率は15%ぐらいだとか、やはり大きな会社に持って行かれるのだろうな、と早くも弱気の、安部邦雄