しみじみ思うのだが、インターネットがない頃って、毎日一体何をしていたのだろう。
最近は毎日4?5時間以上ネットの中にいる。
ネットサーフィンなんて言葉が昔よく使われたが、今でもやっている事は色んなサイトのチェック。
ちょっと問題意識が出ると、さっそく検索エンジンで言葉をチェック。
ネットをはじめた頃は、サイトの数も少なく、ヒットするページも数ページという感じだったが、今や何万件もヒットする。
ネットの増殖という言葉が実にぴったり来る状況である。
日本のネットユーザー5000万人なんて言われると正直びっくりである。
思えば遠くへ来たもんだ、という感想かな。
インターネットは万能だなんて言うつもりはないが、しかし、実に便利な発展のしかたをしたものである。
インターネットがもしなかったら、私は毎日何をしていただろう。
ワープロで企画書を書いていたかもしれないが、ワープロというのは一々プリントアウトしないと使えない代物だし、それ自体がエンターテインメントなものではない。
企画書を書く為の資料も、たいていは活字であり、かさばることこの上ない。
今なら、たいていの資料がネットで手に入る。
説明の文章まで手に入るのだから、きわめてラクチンである。(そのまま使わずに、所々手直しするのがミソ)
何てめぐまれたクリエイティブ環境であろう。
ただし、この環境、暇つぶしのためにも最適なのがたまに傷。
クリエイティブなんて全く無縁の人も、雰囲気だけは楽しんでいるというか。
つまり、仕事のない人も一見仕事をしているように見えるのである。
大体、デスク業務の人というのは、何かをしていないといけない立場である。
事務をとっているとか、電話をしているとか。
私なんかだと、ヒマそうに新聞を読んでいたりしてしまいがちなのだが、そういうのはデスク業務としては失格である。
大体、デスク業務なんて不断に仕事があるはずなどないと言うのが私の意見だが、そんな正論は絶対に通らない。(人の仕事の邪魔だけはするな、と新入社員の頃よく怒られた)
しかし、今やデスクには必ずパソコンが置かれる時代。
新聞を広げるのはヒマそうに見えるが、新聞のサイトをチェックしているのは、何とか仕事をしているように見える。
あるいは、業務関連の情報等をサイトでチェックしていてもいい。
何のためには、この際誰も問わないだろう。
大体、デスク業務なんて忙しいのは一時だけ。
普通のサラリーマンなら、1時間で済むことを8時間にだらだらのばしているだけというのが多いはずだ。
便利なツールが導入されたものである。
しかし、私、ヒマを持て余した時って、昔は本当にあった。
制作ディレクターの時は幸い、朝から晩までいくらでもする仕事があったが、編成業務の時とか、デスク業務の時とかはすることがなくて困ったものだ。
どう考えても無駄なことは絶対にしたくなかったため、1時間を8時間に延ばすなんてことはできなかった。
1時間の仕事を30分で終らせ、後はヒマなだけ、というのが多かった。
同僚が全員休んだりすると、イキイキしていた。
つまり、同僚の仕事を勝手に自分がやってしまえるからだ。
それで8時間が簡単に埋まった。
悪いけど、この部署4人もいらない。
私一人でも十分だ!何度そう思ったかしらない。
しかし、そんな風に人の仕事を勝手にやってしまうような社員は見事にその職場から排除される。
人のペースを乱すからというので、他の部へトレード。
それが、制作ディレクターだったり、営業外勤だったりするわけだ。
何しろ、この仕事はどちらも、人より多くやりすぎても怒られることが絶対にないからだ。(制作の時は、残業のやりすぎ、残業手当稼ぎなんて陰口を言われたが)
しかし、インターネットがあの頃あれば、私はもっと知識が増えたろうなと思ったりする。
あの頃BSとか多重放送があれば、私はもっと英語のヒアリングができたろうなとか思うし。
惜しいことだ。
テレビがあっただけ、ましと言う気もするが。
インターネットの申し子なんて、最近自分を表したりしているが、確かに意識のマッチングは自分でも驚異的である。
まだまだ自分は発展するはず。
70才になっても、ずっとこの世界にいたい。
でも、そんなこと本当に可能なのか、少し不安だったりするのだが。
進行性筋委縮症の患者の方が自分でホームページを開き、口を使って字を打ち込んでいたのを見たことがある、そういう人にとっても、インターネットは貴重なツールなのだろう、暇つぶしなどではなく、インターネットが彼の人生そのものなのだから、安部邦雄