「間違いだらけの車選び」というのは徳大寺有恒さんの大ベストセラー。
今でも毎年、改訂版が出て車ユーザーの支持を得ている。
徳大寺というのは勿論ペンネームだが、元々車雑誌で試乗記を書いていた。
しかし、車雑誌では結局ヨイショ記事しか書けないと思い、別のネームで真実を語ったのが、「間違いだらけの車選び」というわけだ。
実に、色々な車のことをボロクソに書いていた。
今から考えると、多分に徳大寺さんの個人的趣味で評価している面が強いのだが、しかし、こういう言いたいことをいう風潮を作ったのは、何といっても徳大寺さんの功績だろう。
それまでは、こんなこと、怖くて書けなかった。
車雑誌なんて、車メーカーの広告や、新車情報、新車試乗などがなければ、経営がなりたたない業界である。
車メーカーの御機嫌を損なうなんて、車雑誌は絶対にできない。
その記者であった徳大寺さんも、メーカーに睨まれれば飯の食い上げだ。
しかし、徳大寺さんはそのタブーに挑戦した。
反対は色々あったろう。
でも、その戦いに彼は勝ったのだ。
今や、徳大寺さんのような原稿を車雑誌に発表しても、メーカーはよほどの事がない限り、圧力をかけてきたりしなくなった。
情報公開の波とともに、今や車業界もまっとうな業界の1つとなりつつある。(三菱自動車がリコール情報を隠したということで、マスコミから叩かれ、売上が激減したことなども相当効いているようだ)
さて、今回私は、別に車のことを書こうとしたわけではない。
コミュニティFMのことについて、少し考察しようと思ったわけである。
で、できるなら私も徳大寺さんのように、閉塞したコミュニティFM業界のことを打破するような警鐘を鳴らしてみたいと思ったわけである。
そう、コミュニティFM業界で語られている放送局の運営の仕方があまりにも、ノー天気なのにあきれているのである。
近々、営利を目的にしない、NPO中心のコミュニティFMを開設しようとしている人たちがいる。
そのスタッフの人から時々メールなどをいただいていて、そのFMにかける夢というのは、とても評価できるのだが、如何せん、スタッフの中に放送局をマネージメントできる人が
あまりいないのだ。
別に、それはNPO中心の放送局の話だけではない。
どこのコミュニティFMでも、問題になっていることである。
優秀な素材をいくら集めても、優秀な放送局にはならない。
その素材を、適材適所にはめていく、マネージメントの達人がいなければ、ただで経営の苦しいコミュニティなんて持つはずがない、というのが私の意見だ。
実は、私は2年前に「コミュニティFM開局物語」という小説をサイトに連載したことがある。
そこそこ、面白い内容で、さあいよいよ開局と言う時に、ちょっと私としては執筆が続けられないようなクレームを受けてしまい、あっという間に気力がなくなってしまったのだ。、
別に、コミュニティFMのことをいくら私が考えても、結局おまえは関係ないだろ、と言われるのが落ちだ。
第一、誰も本当に私の力を借りたいなんて思ってはいない。
ま、そうこうする内に、開局物語はほったらかし。
とりあえず、このサイトにリニューアルする時に、前のストーリーはすべて消去し、簡単なあらすじ等を残すだけになっている。
さて、あの話、どうしよう?
ま、しばらく、クレームのほとぼりがさめるまで、ストーリーは展開しないことにした。
そのかわりといっては何だが、この欄を使って、「間違いだらけのコミュニティFM」を語ってみることにした。
今日はその第一回目ということだが、またまた話が長くなったので具体的なことは明日からということにしたい。
ま、とりあえず今回はそういうことで。
いえね、間違っているから止めろ!というわけじゃないんです、何か変だよ?何かおかしいと思えへん?という、私の胸のもやもやを何とかしたいというわけですね、安部邦雄