外務省で不正経理問題が噴出しています。
沖縄サミットで50台のハイヤーを調達し、経理上は100台分を請求させる。
その50台分を別途タクシーチケットにして戻せというわけです。
ハイヤー会社も50台分の売上げがあるからいいだろう。リベートとして、50台分をバックしろということでしょう。
同じような構図は他の業種にもあったとか。
500台のパソコンを発注し、1000台発注したことにして、500台分をバックせよ、なんてこともありそうな話ですね。
ただし、リベートというと普通は賄賂のように思われる人もいるようですが、それは誤解です。
リベートはれっきとした商行為です。販売促進の有力な手段として広範囲に使用されています。
ただ、これを不法に略取すると賄賂になるわけです。
例えば、毎月1000ケースのビールを仕入れていた酒店に1001ケースを超えたら、1ケースごとに仕入れ値を20%オフするとか。
たくさん売ればリベートが発生するわけです。
ビール会社からすると、たくさん仕入れてもらえれば出荷数も上がりますし(シェアアップ)、増えた分だけ商品の展示スペースも広がります。
リベートはうまく使えば販売促進に大きく寄与します。
では、どういう場合にリベートが賄賂になるのか。
私の職場だった放送局を例にとってみましょう。
放送局で一番リベートが発生しやすいのは、何といっても制作の場でしょう。
番組制作をあるプロダクションに例えば1000万円で発注する。プロデューサーは、発注したお礼に200万円バックしてもらう。
残念ながら、よく見かける光景です。
200万円のバックは別に現金で受け渡しするわけではありません。
そんな、悪徳商人が悪代官に千両箱を持込んで、肩をふるわせて笑うなんて場面は放送業界にはふさわしくありません。
政治家は相変わらず、こんな受け渡しをやっているようですが、常識を疑いますね。
じゃ、プロデューサーはどういう風にしてリベートを受け取るのか?
そうですねえ、やはり差し障りがあるので、ここで書くのは遠慮しておきます。
個別にメールをいただければ、御伝授いたしますので一番下をクリックして下さいね。
で、このプロデューサーに渡したリベートは賄賂になるかというと、社会通念上賄賂であると言えなくもありませんが、収賄などいうものにはなりません。
じゃ、何の罪にもならないのかと怒らないで下さいね。そんなもの犯罪に決まっているのですから。
これはまぎれもなく業務上の横領です。
会社の払った金は、番組制作の為の費用です。その金を私的に着服しているのですから、有罪に決まっています。
じゃ、何故プロデューサーで横領で捕まる人が少ないのか?
そりゃ、プロダクションも具体的にはしゃべりませんし、会社もスキャンダルになるので告発したりしません。
知らぬ間に、人事異動で出世コースからはずされるだけです。
でも、放送局なんて大なり小なりこういった横領は日常茶飯事にやっているので、マジに摘発していたら会社は成り立っていかないのが実情でしょう。
外務省も同じようなものです。みんなある程度は共犯者なのです。
捕まえるのなら、みんな捕まえないといけない。そんなことをしたら組織の自己否定です。
で、今日も放送局には見えない部分でリベートが行き来しております。
私は彼等にこう言うしかありません。
「あんまり目立つような行動は慎めよ。自分が私的に会社の金を着服しているんだという自覚は最低持っていないと、いつか痛い目に会うからな。気をつけろよ。」
え?おまえもリベートもらったんだろう?ですか。
私は会社から身に余る給料をいただいておりましたので、そんなものは必要ありませんでした。何せ、私の会社はとてもイイ会社でしたから、、、。
後で宣伝費名目でリベートを、安部邦雄