「ストレイト・ストーリー」という映画がある。
ストレイトなお話の映画かと思うと、そうではない。
アルビン・ストレイトという人の伝記的なロード・ムービー(旅映画)である。
73歳の腰も目も弱っている主人公が、何とアイオワからウィスコンシンまで500キロの道のりを時速8キロしか出ない、トラクターに乗って旅するストーリー。(つまり東京から大阪まで、一般道路をのろのろと2ヶ月近くかかって旅したわけ)
そんな荒唐無稽な話、と思うのだが、これが実話というから驚き。
監督があの「ツイン・ピークス」という超粘着精神分裂映画をとったデビッド・リンチというから、こちらも「へー!」と思ってしまった程だ。
最初に噂を聞いたのは、NHKのラジオ深夜便の映画紹介コーナー。
2年ぐらい前のことだった。
時々、映画を紹介に出てくる人(誰か知らない)がいて、民放のように、立場的なよいしょもなく、純粋に自分の感じた印象を淡々と語るのがなかなか良いなあと思っていたコーナーだ。
で、その時も、その人は「ストレイト・ストーリー」を別に煽ることもなく、なかなか考えさせる映画でした、ごらんになって損はないと思います、といっておられたはず。
その後も、色んな方から評判を聞いていて、一度見ておかなければと思いつつ、実は昨日まで見ることがなかった映画だった。
感想、デビッド・リンチらしさはあるけどなあ・・・、ま、確かに映像もきれいし、人間模様はうまく描けているなあ、と思ったが・・・。
早い話、色んな人から感動を聞き過ぎたと言う感じ。
こういう映画を撮ってみろと言われれば、私は絶対に無理ですが、これぐらいなら日本の監督でもとれるんじゃないかと思ったのですが。
でも、あのアメリカの広大な麦畑、広大なトウモロコシ畑が背景としてなければ、このストーリーは展開出来ないと言う気もするし。
ま、途中に起こる幾つかのエピソードにそれほど感動しなかったということなのかもしれないね。
でも、最後に老人の執念が実る場面を見ると、「よおし、俺だって70過ぎてもまだまだやるぞ!」という気にはさせてくれる。
主人公を演じる役者は、リチャード・ファーンズワースと言うのだが、どこかで見た役者だなあと前から思っていたのだが、先程確認して分かった。
「赤毛のアン」でマシュー・クスバートを演じていた役者だ。
あの映画、確かこの作品より10年ぐらい前の映画だったのに、どちらもおじいさん役で、同じぐらい老けているのはどういうことなのだろう。
カナダの役者さんで、その時は確かテレビを主にしておられたような記憶があるのだが、「ストレイト・ストーリー」の資料には、そんなこと何も書かれていなかった。
「赤毛のアン」って、とてもよくできた映画だったけど、彼にとっては、あまり触れてほしくない映画だったのかもしれない。
でも、よかった。
とにかく、どこかで見た役者だなあ、ずっと思っていたものですから。(内心、マシューと同じ役者だと思うのだが・・と思い続けていたような)
あ、こんなことを書いていたら、又今日も終りそうだ。
明日は、また理屈っぽい話題に戻る予定ですけど、引き続いて読んで下さいね。
今週は、精神的にちょっとヘビーな一週間になりそうなので、月曜日からブルーが入っている、安部邦雄、でも更新をやめないのは、いわゆるランナーズ・ハイみたいなものかもしれないなあ