税金の支払いに、取り引き銀行を訪れる。
いつのまにか、個人と法人で窓口が別々になっていた。
個人は1F、法人は2Fにあり、何か前のようなゆったり感もなくなっていた。
心なしか、窓口で対応する銀行員も減っているような気がした。
何かの拍子でパンフレットが落ち、床に散乱してもほったらかし。
気づいているのか、見ないふりをしているのか。
そのうち、ある人が警備員にそれを指摘した。
警備員はあわてて拾いに走り、元の場所へ置いた。
5~10分、散乱したままだったような気がする。
呼ばれて、窓口へ行った。
お願いしますと、書類などを出すと窓口の銀行員さんが怪訝な顔。
そして、やや突き放したような声を出す。
だが、何を言っているのかわからない。
「何ですか?」
丁寧に聞いた私に、少し目尻を上げて詰問するようにその人は言った。
「呼んでおりませんが。」
呼んでない?でも、今呼ばれましたが。
その人はしばらく私を睨んでいた。
隣の窓口を見ると、そこにいる人が少し笑いかけた。
「こちらです。」
ああ、そっちか。
でも、今まであなたそこにいなかったじゃない。
最初の女性は、ふんっという顔をして仕事に戻った。
何だよ、別にそんなことで怒らなくてもいいじゃないかと普段は温厚な私も少々むっとした次第。
おそらく今の銀行員の人々、疲れているんだろうな。
給与は下がる、ノルマはきつい、人員は削られる、優秀な社員はやめる。
そりゃ、仕事場はギスギスするだろう。
いわゆるモラルの低下というやつか。
今まで抱いていた銀行のイメージもどんどん下がり気味。
昔の信頼感は今いずこ。
銀行員と結婚すると何かとやばいよ、そんな声すら聞こえて来る昨今である。
飛行機のCA(乗務員)さんもどこか疲れているようにみえるのだが、労働条件が厳しくなっているのだろうか、安部邦雄