作家の筒井康隆氏と気象学者の根本順吉氏の対談を読んだ。(講談社「脳ミソを哲学する」)
へえ?と思ったのが、地球温暖化の話のところ。
二酸化炭素が増えて、温室効果で温度を上げたとは必ずしも言えない。
つまり、人間がどんどん排ガスや煙りを出すから、温暖化しているとは断定できないそうだ。
何か、えらい話が違うではないか。
じゃあ、どうして温暖化したのか。
まだ、はっきりとした理由はわからないということだ。
マスコミは温室効果のことばかり、よく特集記事でとりあげていたが、もうちょっと専門家に聞くべきだったということなのだろうか。
温暖化しているのは、確かなようだ。
しかし、長期的に見ると、地球は氷河期に向かっているという。
今は、温暖期と氷河期の中間で気象が不安定なだけだそうである。
確かに今年は異常気象ぽいが、それでも毎年毎年こうではないような気がする。
ただ単に今年が少々例年と違うというだけで、言ってみれば統計誤差みたいなものかもしれない。
宇宙的に見れば、どうって事ない話、と言ってしまえば身もふたもないが。
オゾン層の破壊の話も、へえ?と思った部分。
オゾン層が破壊されれば、紫外線が地表により届くようになり、人間の皮膚に異常を起こさせると言われている。
皮膚癌が増加し、人々は直接太陽を浴びないようにと言われる日が来るかもしれない。
ま、私の知識はここまでだった。
根本さんは言う。
「オゾン層が破壊されると、対流圏の対流が成層圏まで達し、気候の変動を及ぼすことが考えられる。」
オゾン層は成層圏にあり、その下には対流圏がある。
普通、大気の上下の動きは対流圏までであったが、成層圏まで対流が広がることによって、対流のエネルギーが大きくなる。
地表付近での風の動きもより激しくなり、風の被害、雨の被害が今以上に大きくなるのだそうだ。
二酸化炭素ばかり考えていてもだめ、これから色んなことが起こるから気をつけておいた方がいい、ま、そういう話だった。
フロンガスを今頃止めても、もうすでに大量に排出してしまった後で、改善に向かうとしても100年から150年ほど後になってからだと聞かされると、暗澹たる気分になる。
これから既に排出されたフロンガスが、ゆっくり、100年以上かかって、オゾン層を壊して行くんだそうです。
覆水、盆に返らずの譬えどおりですね。
何が起こるかわからない、でも何が起こっても大丈夫なように今から備えを。
と言われても、何をどうしていいものやら。
他国からの侵略を防ぐための備えを始めろと言われても、何も思いつかないのと一緒だ。
有事法制というのも、何かマンガみたいなところもあるようだし。
戦争をおっぱじめる気がないのなら、もう少し、異常気象なんかに目を向けた方がよいのでは。
何か、中国はとんでもない洪水だと言っているし、北朝鮮は相変わらず旱魃で食料事情が悪化の一途だそうだし。
北風よりも太陽を。
人間社会においては普遍的な真理だと思うんだけどね。
常識を疑えという気分が最近強くなってきた、自分が正しいと思って来た価値基準もすべて洗い出す必要があるのかもしれない、頑固な老人にはしばらくなれそうにない、安部邦雄