久しぶりに「BOOK OFF」に入ってみた。
浅田次郎の「鉄道員(ぽっぽや)」が前に500円ほどで売っていたので、もう少し安くなっていたら買おうかなと思っていた。
3冊ほど、並んでいたので手にとってみたが、まあまあ綺麗でこれなら500円でもいいか、と値段を見たら、
何と100円!
100円!?って、冗談だろう。
こんな綺麗な本で、文庫本だって100円では売っていないのに
100円!
そういえば、赤い看板に「100円セール」と書いてある。
そのあたり、見事にみんな100円らしい。
うれしくなって、何冊か買ってみた。
堺屋太一さん(私のフェイバリット作家)の本とか、ちょっとした研究本とか。
1000円でけっこうなおつりが戻って来た。
得したような、でも複雑な気分。
これじゃ、出版社やばくなるはずだ。
先日、社会思想社が倒産した。
好きな出版社の1つだったので、ちょっと残念。(現代教養文庫が秀逸だった)
でも、この10年ほど一冊も買ったことがなかったので、偉そうなことはいえないが。
ついでに他の棚も見たが、中古ビデオの安さにも驚いた。
私の好きなSF系の映画が550円。
おそらく、レンタルビデオ系か、実際の発売元からの流れだろうが、しかし550円は安すぎないか。
BOOK OFFというのは、汚いイメージの中古は絶対に扱わないようだし、こりゃ、BOOK OFFが次々に増えてくるのはあたりまえだな、と思った次第。
CDの中古やゲームの中古もあったが、これはそれほど安いとは思わなかった。
WinMXで手に入れた方が、リーズナブルと言う感想だった。
とにかく活字系はこんな店が繁昌するようではやっていけないだろう。
出版社なんて、そんなに馬鹿売れする業界ではない。
良書をコツコツ出して、トータルで商売になればイイと言う業界だから、こういう良書を出す為の費用を稼ぎ出す<売れ本>が、簡単に中古市場に流れたら今までのようなビジネスは無理だ。
そうか、これからレコード業界もこうなるのか。
良書が消えるように、いい音楽もどんどん出せなくなるというわけだね。
うん?待てよ。
レコード業界って、最近、売れ線ばかり作って、本当にいい音楽なんて前程作らなくなっているなあ。
出版界が倒産のリスクを背負いながら、まだまだ良書を発行していると言うのに、音楽業界の体たらくはなんだろう。
これで、著作権を守らないと音楽文化は衰退する等と主張しているのだとしたら、ちょっと噴飯ものではないか。
音楽業界よ、ちょっとは出版業界を見習え。
本当に文化の危機は、ずっと出版業界にある、BOOK OFFでつい本を買い込んでしまった、私が言うんだから間違いない。
まだまだ新刊でも売れる本を100円で買えるのだから、消費者としてとてもハッピーなのだが・・・、安部邦雄