官庁ではすでにボーナスが支払われ、年末商戦もそろそろ終わり等といっているのに、未だにボーナスの額が決まらないまま闘争を続けている会社がある。
会社は業績の見通し悪化を理由に昨年より大幅ダウンの回答。
組合は、生活水準の低下は困ると回答を拒否。
このままでは越年だとか。
大変だなあ、と思う。
特に、住宅ローンを返済している人は、たいていボーナス時にまとまった金を返すという契約をしているから、返す金に四苦八苦。
しかし、ここで会社に甘い顔を見せたら、生活は滅茶苦茶。
武士は食わねど高楊枝と見栄を張るか、会社の軍門に下るか。
でも、家庭を持つ人は大変だ。
年末は本当に金がいる。
このままでは歳を越せないなんて話になるのだろうか。
昔は、大晦日に掛け取りが来たと言う。
歳を越せない人が大勢いたころには、掛け取りさんも大変だったろうけど、それでも何となくそこには人情があったように喧伝されていたりする。
払えないものは払えないだろうし、払えるものなら払いたいという気持ちも人間ならあるはず。
落語に、次から次に来る掛け取りを如何に撃退するかなんて話なんてのがよく出てくる。
たいていは相手の士気をなえさせるようなことを言ったりしたりする。
こんなところにいたら、かえって不経済と思わせるのがコツのようだ。
何とか生きていけるなら、掛け取りにしゃかりきになる必要もないということなのだろう。
ま、これは昔の話。
今は、掛け取りなんてレトロな言い方しない。
債権の回収、貸し剥がしなんて言葉が新聞に氾濫している。
そこには人情なんてあるわけない。
ああ、人情紙風船。(古い言い草)
そう、人情があっても、金がなければダメというご時世。
家来諸君、本当申し訳ございませんね。
来年は、絶対、絶対に皆さんを夢のような待遇で一年をすごしていただきますからね。
今年は、ほんのちょっと我慢してちょんまげ。
しかしなあ、経営者になって初めて気づいたのだが、役員てボーナスもらったら損なんだよなあ。
社員と同じようには税務署が認めてくれないなんて。
欲しけりゃ、月給で貰えというのが税務署の言い分。
つまり、儲け分を経営者がお手盛りで自分の収入にしたら、本来税金でとれる分が減るからというのだが、何かせこいよなあ。
いいじゃん、俺が稼いだ金なんだから。
そんなこと言っていたら、俺は国の発展に貢献しないぞ!
本当、アメリカに会社移しちゃうぞ!
ちょっとは優遇して補助金よこせ!べらぼうめ!
さはさりながら、結局日本でしか生きて行けそうにないのが情けないというか、何と言うか、安部邦雄