例年、この時期になると、やたら忙しくなる。
自分が解決しないといけない問題、自分が作らないといけない書類、そんなものが何故か毎年この時期に立て込むのだ。
今年は、ヒマな年末やなあ、と思うことがここ何年か全くない。
経営者という立場が今の気分を作るのかもしれない。
考えたら、会社員の時は気楽なものだった。
確かに、やらないといけないことも多かったが、さぼったところで直ぐに自分の不利益に繋がるようなことはなかった。
今は、さぼれば覿面(てきめん)である。
後悔するような事態が次々出来(しゅったい)したりする。
人との摩擦を恐れて譲歩し過ぎると、その蟻の一穴からすべてが瓦解したりしかねない。
前に私はトラブルの処理能力は高い方だと書いたが、残念ながらそれを何の苦もなくやれるタイプではない。
できれば、トラブルなんかに巻き込まれたくない。(普通の人なら誰だってそうだが)
何の苦もなくやれそうな人を見ると本当に羨ましくなる。
ある私の知人。
車を違法駐車して、戻って来たらレッカー移動させられていた。
怒った彼は、警察にどなりこんだ。
お前らなあ、車はわしらの商売道具や!仕事の邪魔する為に警察はあるんか!車がなかったために、これこれの損害が出たのをどうしてくれる!責任者、出さんかい!賠償してもらうからな!
これを警察で言うのだから凄い。
罰金を払うとか、レッカー代のことなんかどうでもいい。
商売の邪魔をした、損害が出た、それをどう賠償するのだと主張する彼の迫力には、警察もたじたじだったろう。
こんなことしても、本人は全くケロっとしている。
理不尽なことを主張することが、少しも苦ではないのだ。
私なら、こんな主張すると、たいてい自分の心のどこかに傷をつけてしまう。
様になっていないだろうし、そこまで厚顔無恥にはなれない。
かえって、ストレスを余分にためかねない。
彼と一緒に飲みに行っても凄い。
お店の人が、こちらの席は4人樣用ですと言っているのに、「おれはここでかまへん。」と言って、さっさと座ってしまう。
座った客を追い出せる店の人等誰もいない。
何しろ、彼は客なのだ。
出て行ってくれ、なんて言えるはずもないのだ。
つまり、相手の弱味を彼は熟知した上で行動しているのだ。
自分勝手に切れているわけではない。
やはりこういうのは羨ましい。
ただし、今の私がそうなりたいとは思わないが。
そういえば、先日レンタルビデオ屋からカードの更新に来てくれと言われて、しばらく日を置いて行ったら、このカードは更新期を過ぎていると言われた。
昨日で切れているというのだ。
新規に作ることになりますと言われたので、じゃあ、そうしてと言ったら、用紙を出して来た。
ここに名前と住所と・・云々。
あほか!何で一からやらなあかんねん。
そこに入っているデータ使えよ!と切れてしまった。
それでもごにょごにょ言うので、もういらんわ!と叫んで出したものを取り上げ、投げ捨ててやった。
そのあたりのビデオカセットすらなぎ払いたい気分だったが、さすがにこれは自制した。
一日遅れたぐらいで、ごちゃごちゃ抜かすな!
で、2度とそのビデオ屋には行けなくなった。
先日、借りたビデオを壊してしまったのに、弁償はいりませんとやさしく言われたことを今思い出し、別に怒る程のことでもなかったなと、ちょっと後悔している。
勝手に切れて、場を思いきり白けさせ、平気でいる奴を何人か知っているのだが、たいてい血液型B型なのだ、血液型なんか根拠はないと言われるが、この部分だけは正しいような気がするのだが、こう言われてオドオドするのは例外なくA型、つまり私なんですね、安部邦雄