高いところに上るのが好きである。
今年の正月もWTC(ワールド・トレーディング・センター)に上ってきた。
大阪南港にある西日本一の高層ビルである。
57階分の高さで、そこから大阪、神戸、淡路島が一望である。
ただし、展望台に行くには800円必要。
高いなあと思ったが、お正月なのに客も少ないので、これでもきっと赤字だろう。
こことATC、りんくうタウンが大阪三セクの三大赤字プロジェクトという話を聞いた。
東京のお台場以上に不便な場所。
人を引き付けるだけの魅力もあまり感じられない場所である。
ガイドさんが展望台にはおられて1時間に一回観光案内をしてくれる。
あの赤と青の建物が、回遊館です。
その向こうにある大観覧車のライトで明日の天気がわかります。
今は緑ですから、明日は曇りということで、あれがオレンジだと晴れになります。
で、川の向こうにあるのがUSJです。
ここから見るとあまり派手ではありません。
映画のセットという設定なので、外から見ても遊園地というイメージはありません。
なるほど、なるほど。
ずっと、、向こうに明石大橋が見えます。
夜はずっとライトアップされています。
おうおう、赤字のくせに電気代もったいないやんか。
少しかすんだ向こうのほうに関西空港があります。
今、飛行機が着陸しようとしていますね。
遠いなあ、明石大橋の方がまだ近くに見えるやん。
関西空港、やっぱりあかんなあ、神戸空港の方がまだましかもしれん。
800円払ったけど、まあまあ楽しい展望台だった。
大阪はまだまだ見るところが多い。
その後、47階の食堂街へ行く。
半分の店が閉まっていた。
正月休みかなと思ったが、そうではなかった。
どこも、都合により閉店しますと書かれていた。
何と、南港のランドマークタワーがゴーストタウンになろうとしている。
予想していたほどの客が全く来なくなったのだろう。
テナントも普通では埋まらず、ほとんどが府や市の外郭団体だという。
こういうのも不良債権と言えば言えるのかもしれない。
テナント代をかせぐために、外郭団体を入居させる。
その外郭団体は、税金でその費用を払っている。
税金は結局、効率のいい使われ方はせず、せっせと赤字補填に使われるだけ。
一軒の居酒屋に入り、湯豆腐をあてにちびりちびりと酒を飲む。
目の前には、伊丹空港方面の夜景。
時間は7時。
ひっきりなしに飛行機が到着し、離陸して行く。
そういえば、一年間の空港利用者数で伊丹が関空を抜いたという。
伊丹空港って、廃止する方向らしいけど、こんなに利用されているのに無理やり廃止するのも変な感じだ。
客が増えない場所に税金が使われ、客が増える一方の場所を何故か廃止しようとする。
役所のメンツなのかもしれないが、本当に合理性に欠ける政策である。
モア大阪レス東京を新年早々かかげた私だが、こういうのを見ているとやっぱり大阪はもうあかんという気もしないではない。
ほんま困ったことですわ。
大阪の話はこれでしばらくお休みです、安部邦雄