楽しい話題って、何かないでしょうか。
最近、深刻になりそうな話題ばかり。
底抜けに楽しい話題がほしいなあ。
FM大阪のディレクター時代、「ラジオ少年派」という番組をやっていたのだが、この季節になると「そろそろカニの季節やねえ」などとN君が言い出す。
「そやそや、ほんじゃ又いつもの所を押さえんと。」
等と誰かが合わせる。
で、スタッフが私の顔を一斉に見る。
「カニ食べたいー、山陰へ連れてけー」と叫んでいるように私には見える。
といっても、「ラジオ少年派」は3年ほど続いただけだから、最大限でも3回しか行っていないかもしれない。
とにかく、このシーズンになると番組は新年会を兼ねて、山陰(たいてい香住周辺)での収録とあいなる。
遊びの分は当然全員から徴集したが、それでも録音部分は番組からということになる。
サス番組(つまりスポンサーのつかない貧乏番組)なのに、そんな費用どこから引っぱって来ようかと苦労したものだ。
毎回5?6人のカニ料理代、宿泊代、交通費を出すのだから立派なものだ。
何か、身銭を切った部分も多かったような気がする。
でも、こういう旅行は文句なく楽しかった。
鍋を囲み、ただ皆でわいわいしている場面を収録するだけ。
そんなもの、リスナーはどう思って聞いていたのだろうか。
ああ、私も食べたい、と思ってもらえたのなら幸いなのだが。
東京に来てから作った番組に「松浦有希の夕暮れ探検隊」というのがあった。
ラジオというと普通はスタジオ録音というのが当たり前だが、一度全部アウトドアで収録する番組を作ろうと思って始めたのがこの番組だ。
最初に調達したのが、大型のワゴン車。
ある制作スタジオのオーナーが持っていた車を、運転手ごとレンタルさせてもらった。
事故が起きた時は、この制作スタジオの責任だよ、と釘をさしたりしたが、まあ無責任なプロデューサーの私だった。
松浦有希ちゃんはホリプロのミュージシャン。
大阪出身の子で、シンガーソングライターでもあった。
詳しいことは以下のサイトに番組の内容その他が掲載されている。
何と番組のリスナーの有志がこんなサイトまで作ってくれたのだ。
こういうのは素直に嬉しい。
皆さんも是非御覧下さいね。
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hydecazu/yuki/frame/yuugure.htmlしかし、この番組、ほんとうに色んなところへ行った。
ヘリコプターまでチャーターして、三原山の火口の取材に行ったこともある。
こんなの事故でも起こしたら大変なのだが、私としては全く会社に連絡もせず、管理者が聞いたら即刻中止しろといわれそうなこともよくあった。
ま、大丈夫だろうと思いながらやったのだが、本当に何かあったら大変だったろうなと今は反省しないでもない。
でも、スタッフはきっと楽しかったはず。
プロデューサーは、スタッフが何をやろうとどうぞ御自由ににというスタンスだったし、金もふんだんにあったわけではないが、どこかへ移動したり、食事したりというぐらいの金はあったはずだ。
リスナーにも何度か参加してもらった。
本当にリスナーあっての、「夕暮れ探検隊」だったなあ。
何故こんな話を今日は書いたかと言うと、先日、そのリスナーのお一人からメールをいただき、この欄を読んでますよと言われたから。
嬉しいではありませんか。
この番組については、そのうち私の「安部邦雄全仕事」にも書き込む予定なのですが、とりあえず簡単に触れてみました。
今から、考えるとみんな楽しい仕事だったなあ。
あの時代に、戻れるものなら戻りたいものだ。
何か二日続けて、愚痴っぽくなってしまった。反省反省。
♪カニ食べ行こう?、はにかんで行こう?、パフィーのこの曲を聞く度に「ラジオ少年派」を思い出す、安部邦雄