古本の流通は著作権の保護に反するから、規制すべきだという論議が始まった。
ついでに漫画喫茶も著作権を払えという主張もなされている。
なるほどねえ、従来は喫茶店と言っても、珈琲などの飲み物が主で新聞とか雑誌などは従だった。
ところが、漫画喫茶は漫画が主で飲み物が従。
そりゃ、普通より多めの著作権料を払えと言うのはよくわかる。
しかし、これだけ人と人との関係がネットに密になるようになると、著作権の扱いって難しいなと思う。
本なんか、最近販売量がどんどん落ちているという。
私なんかも、昔のように本を買って家に所蔵するなんて気持ちが全くなくなった。
ほとんど図書館に行って借りてくる。
インターネットには、たいていの人気本ならおおよその中味が紹介されていたりする。
家に置いておく必要がない。
だから、わざわざ買って迄持っていようとは思わなくなった。
音楽なんかも同じ。
図書館でも貸してくれるし、ファイル交換なんてのを利用すればただでダウンロードもできる。
(ただし、著作権法違反の恐れありだが)
そういえば、CD喫茶なんて作って、漫画喫茶のように新曲を聞けるようにするのはどうなんだろう?
デジタルコピーしない限りOKなのか、それとも金払えばOKなのか。
昔は古本も含めての出版文化だった。
人は買った本をそう簡単に古本屋に売りに行かなかったが、ブックオフのおかげで、古新聞の回収みたいに中古本の流通が行われている。
パッケージ文化からノンパッケージ文化へのパラダイム変換が始まりつつあるという話があったが、単純にパッケージは邪魔という意識も一緒に作られつつある感じもする。
場所をとるようなものはできるだけ家の中から排除したい。
なにしろ、世の中モノがありすぎるのだ。
捨てることを常に考えないといけない。
捨てるための費用と言うのも意識におかないといけない。
だから、捨てることをすべてに優先して考えはじめる。
テレビや冷蔵庫などは、今や簡単に捨てることはできない。
捨てるのではなく、燃やすのではなく、できればリサイクルに回そう。
本は?CDは?
そう、最近これらが売れないとするならば、それは人々がリサイクル意識を優先して考えるようになったからではないだろうか。
家に置いておかない。
無闇にゴミ箱に捨てない。
答はリサイクルしかない。
著作権者は下手すると言いかねない。
リサイクルするなら、捨ててくれ。
既得権者はリサイクルを嫌がるのだ。
リサイクルといっても、デジタルだったら全く劣化しない。
消費者はウェルカムなのだが、供給者はそれではビジネスモデルの崩壊になる。
そう、リサイクルって、ひょっとすると経済成長を鈍化させる一因かもしれない。
それを、人々は日々のゴミとの戦いの中で日常化させている。
敵はリサイクル運動かもしれない。
さて、どうする権利者のみなさん。
前にも書いたが、昔の紙芝居屋がお金のない子はあっち行け!と追い払った構図と今の権利者が主張している構図が同じであることがとても気になる、文化とはそういうタダ見する子供達も含めて発展するものではないかと思うのだが、安部邦雄