私がかってお世話になっていた放送局が大変らしい。
局舎移転、景気低迷で今年の3月決算では始まって以来の赤字を計上しそうだという。
レーティングは競合局に負けっぱなし。
それなりの強化策を改編を含め実施して来たと言うが、なかなか結果が出ないようだ。
何故ダメか、理由は色々あるだろう。
人のせいにしたり、経営陣のせいにしたりするのは一番容易いが、それだけじゃ何の解決にもなりはしない。
で、OBとして一つだけ指摘しておきたい。
今のFM局、誰に向かって放送しているの?
私の提言は、もっとイノベーターに向かって放送したらということ。
今のFMは、フォロワーというか、誰かの後からくっついて行く人向けの放送が多すぎるのでは。
前は、時代の最先端の層に向かって放送していた。
ポップスを流すのは専らFM局。
使う言葉は英語、それゆえ、イノベーター層しか聞いてもらえなかった時代がある。
つまり、私が学生だったころから入社して4?5年位のころだ。
ほとんどの人は、FMなんか知らなくてもどうでもよかったろう。
でも、確実にイノベーター層はつかんでいた。
だから、ほとんどの人が認知していなくても放送局の経営は維持できた。
ところが、FM局はいつのまにか、このイノベーター層へのメッセージを忘れ、多数派(フォロワー層)のみを相手にするようになった。
J-POPなどとよぶ、大衆歌謡の愛好者にすりよったのである。
選曲の多様性を排し、同一品種大量生産という音楽業界システムにすりよったとも言える。
しかし、フォロワーにしか目を向けなくなれば、ブームが去った時の自己改革も又できない。
自己改革はイノベーターの動向に対するセンシビリティ抜きにはなしえない。
今、FM局で大事なことは、イノベーター層をもう一度つかみ直すことだ。
FM局なんて、センスのかけらもない、ださい連中が集まってしょうむない放送をしている、というイノベーター層の諦念を突き崩すことである。
時代はイノベーター層抜きにしては動かない。
いつまでも多数派だからといって、根無し草のようなフォロワーを追っていては未来はないのだ。
具体的に何をしたらいいのか?
本当はFM局の人間が私に聞きに来てくれればいいのだが、彼等は変なプライドがあって、教えを乞う気などまるでないらしい。
だから、私も真面目に教える気にはなれない。
ヒントはイノベーター層は今どこにいるか?である。
携帯電話のまわりにも今やあまりいそうにない。
では、どこにいる?
その答は、私の中では2chなのである。
ほぼ日刊イトイ新聞でもいい。
ヤフー・オークションもOKだ。
FMラジオを聞いている人の中にはほとんどいない。
むしろ、NHKのラジオ深夜便の聞いている人の方がイノベーターは多いはずだ。
今のままではFM局は当分ダメなままだと私は思う。
放送局って、基本的にユーザー無視なんだと思う、官僚連中もそうだが結局自分が一番えらいと思っているから、自分の成功体験ばかりにこだわっている、後はスポンサーのいいなり、力のある人や、金を持っている人のいいなり、でもその自覚もなし、安部邦雄