昨日の続きというか、少し解説。
土足マーケティングというのは、阪本啓一氏がセス・ゴーディン著『パーミション・マーケティング』(翔泳社)を翻訳する時に使った言葉。
原文ではインタラプション・マーケティング(Interrupt:邪魔する)というが、ニュアンスを強めるために「土足」という言葉を使用したようだ。
つまり、人の了解もとらないで、商売するのが土足マーケティングというわけだ。
典型的なのは押し売りなのだが、一応ワンツーワン・マーケティングの話なので、もう少しらしい例を書いてみる。
私の中で一番「土足」なのが、マックビジョンである。
マクドナルドで、軽く食事と思って入ると、たいていこの「マックビジョン」がガアガア鳴っている。
画面はまだいい。見なければいいのだから。
ところが、誰の指示か知らないが、音量が大きすぎてとても邪魔なのだ。
又、コンテンツが面白ければまだ我慢もできるのだが、これが又やっつけ仕事の典型みたいな内容。
不快この上ないのだ。
俺は、食事に来たんだ。
マックビジョンを見に来たんじゃない。
おそらく提供スポンサーの手前、音を小さくしたり、見えにくくすることなど出来ないのだろう。
しかし、客の迷惑はほったらかしだ。
煩いのだ、邪魔なのだ、値下げした分をマックビジョンの提供料で補っているのなら、値下げしなくともいい。
それとも、私のような客はターゲットではないとでも言うのだろうか。
人の心にずかずか入って来て、勝手に商売する、まさに土足マーケティングである。
誓ってもいい。
私は、マックビジョンで流れる商品はアーチストのCDも含めて絶対に買ってやらん。
人の心の誠がわからん奴は死ね。
ええ年して、2ch風な書き方をしてしまった、反省。
私もやや批判的なのだが、例のCCCDという音楽媒体(?)も、どこか土足マーケティング的である。
ユーザーの許可をとらないで、勝手に客を犯罪者扱いして導入したのが、CCCDに見えるのだ。
ネットで情報が交換される時代、土足マーケティングについては、もっとセンシティブであってほしい。
お客さまは神様なのだ。
一度、パーミションを得た顧客は、滅多なことでは逃げていかない。
それが、パーミション・マーケティングなのである。
いつまでも、土足で人の家に上がり込むのはやめてもらいたい。
ついでにいうと、昨日取り上げたテレビ通販もやや土足っぽいし、最近はやりの一車両全部同じ広告というのも、土足の典型だ。
確かに見るものにリーチするが、ついでに不快感も引き起こすことに気づくべきではないか。
電車の中で広告なんか、そんなに見たいものではない。
それが、みんな同じだったとしたら、客は逃げ場がなくなるではないか。
前にも触れたが、テレビのザッピング防止のための手法もほとんど土足である。
さあ、いよいよ結論という時に、さっとCMを挿入して、客をしらっとさせるなんて、本当によくやるよ。
そうしないと、CMを見ない?
許可とれ、許可。
テレビはおまえらだけとちゃうぞ!
さて、土足マーケティングの例、他にも色々浮かぶけど、きりがないので、今日はこれにて。
ホームページの、フラッシュを使った広告も目障りだからやめてほしいんだけどなあ。
訪問販売とか電話セールスとか、最近ではスパムメールとか、世に土足の種はつきまじ、安部邦雄