文化現象を語る時に、私がよく使うのが、イノベーターとフォロワーという言葉。
マーケティング用語なんだと思うけど、細かいことはよく知らない。
ただ、何かが流行する時の法則として理解していると大変便利なのだ。
どんな法則?
つまり、流行とはイノベーターが飛びつき、それを見たフォロワーが「ああ、これが流行しているんだ」と判断して一般化するとでもいいましょうか。
イノベーターというのは、文化的感度がとても高い人々。
フォロワーというのは、世の中で盛り上がりそうになって初めてその文化を受容する人々。
例として、この欄で3回とりあげた浜崎あゆみを法則にあてはめてみよう。
浜崎あゆみは、最初は若い人たちのファッション・リーダー(ライフスタイル・リーダーとも言える)として注目されはじめた。
ヒット曲もあったが、元々はファッション的なカリスマだった。
ちょうど、SPPEDが解散し、安室奈美恵が産休していた頃だ。(確かそうだったよね?)
10代の女の子には、ファッション・リーダーが必ず必要だ。
スポーツができるとか、歌が作って歌えるとか、かっこよく踊れるとか、誰よりも早くニューファッションを取り入れるとか。
で、それまでカリスマ的に君臨していた安室なんかがいなくなって、その間隙を埋めたのが浜崎あゆみだった。
で、このムーブメントをリードしたのが、イノベーター層といわれている連中なわけだ。
最近、浜崎あゆみは勢いがなくなっている。
業界に媚びを売りたいマスコミは相変わらず、若者に大人気の浜崎あゆみと紹介しているが、もはやイノベーター層は彼女から離れたのは事実のようだ。
今彼女のまわりにいるのは、フォロワーという群集である。
マスコミが浜崎あゆみを取り上げている間は、そのまわりにいて「ayu、かわいいー!」なんて騒いでいるが、何らかの拍子で誰も浜崎をとりあげなくなるとあっという間にいなくなるのが、彼女達フォロワーの特徴なのだ。
安室奈美恵がちょうど、そういう目にあっている。
結婚したから、子供を産んだから、離婚したからフォロワーがいなくなったのではない。
他に、彼女のいた場所を占領したオルタナティブ(この場合浜崎あゆみ)がいたから、戻って来た彼女が弾き飛ばされただけなのである。
フォロワーなんか、思い出の中には安室を置いてくれても、今の安室に関わっているヒマはないという態度だ。
で、浜崎あゆみも、最近はこのフォロワーしかいなくなりつつある。
だから、彼女がイノベーターに対して余程のアピールが新たに出来ない限り、どれだけavexや広告代理店が金をかけても、2度と前にいた場所には戻れなくなるのだ。
じゃ、今、浜崎の場所にいるのは?
いや、まだ、その場所を奪取したものはいない。
浜崎の取り巻きが必死になって、その場所を死守しようとしている最中だ。
浜崎が追い出されるのは、結婚を宣言した時という情報が流れるのも、結局は安室と同じ道を歩むに違いないという推測ゆえなのだ。
さて、放送局のコア・コンピタンスの話をするつもりが、又浜崎あゆみの話になってしまった。
この続きは又明日。
昨年、私は浜崎あゆみはもうダメだろうと予言したが、ほとんどの業界人から馬鹿扱いされた、でも、イノベーターが逃げているのを感じた私は、どれだけBOSSのコマーシャルで評判がよくても歌手浜崎はもう終わりだよといい続けた、タレント浜崎あゆみなら安西ひろこと大して変わらないと思ったからだ、安部邦雄