FM大阪の本社に行くと、一枚の企画書があった。
「この番組はヤングアダルトをターゲットとして企画しました」と書いてある。
ヤングアダルト?つまり団塊の子供達をターゲットとするのだろうか?
昨日も書いたが、今やヤングアダルトを対象とした商品などそれほど存在しない。
団塊の子供層は今やネオファミリー層として認識した方がいいのだ。
ファミリーを抜きにしてヤングアダルト層は語れないと私は思う。
自分の金で自分のものを買う能力があるのがヤングアダルト層ではないだろうか。
自分の金は多少は自分のものに向かうかもしれないが、そのほとんどがファミリー的に消費されるのが、今の30代の動向だ。
ヤングアダルト層なんて言葉がほとんど使われないのは、感覚的に市場が消費者層としては分散化されていると認識しているからだ。
それは、ターゲットとしては機能しない。
それなのに、相変わらずヤングアダルトなんて言葉を使うFM大阪よ。
私の意見としては、市場は次の4つぐらいか。
団塊の世代から上の、これから不自由ない老年期を迎えようと望んでいる世代の市場。
団塊の子供達が形成しはじめているネオファミリー層としての市場。
収入をほとんど自分のために使えるOL層およびヤングエグゼクティブ層の市場。
ヤング市場。
FM大阪はどの市場を狙うのか。
コア・コンピタンスを形成しているのは、ネオファミリー層、およびヤングマーケットあたりだろうか。
団塊の世代には、今までそういった能力は形成されなかったし、OL、ヤングエグゼクティブは、もっぱらテレビ世代である。
ネオファミリー層は車との親和性も高い。
ヤング層は、音楽業界のメインターゲットである。
私としては、FM大阪に望みたいのは、ネオファミリー層の需要にこたえられるようなコア・コンピタンスである。
決してヤングアダルトというような、市場的価値が不明確なターゲットではない。
もちろん、早朝、深夜などをヤング向けにするのは別に問題はない。
しかし、局のイメージングを形成する時間帯は、ネオファミリーを狙った編成にするべきであり、そのためのコア・コンピタンスを開発するべきだと私は思う。
そんな問題意識って、今のエフエム大阪にあるだろうか。
望むべくもないことだ、そんな声がどこからか聞こえてきそうな気がする。
負け犬の遠ぼえみたいな話を3日間も書いてしまった、でも最近FM大阪の現場を余り良く知らないのでミクロ的な合理性までは保証しません、安部邦雄