All work and no play makes Jack a dull boy.
「シャイニング」という映画を見たことがある人は、この言葉を見るとぞっとするに違いない。
だんだん狂っていく小説家(ジャック・ニコルソン)が何百枚もの原稿に、この言葉のみを打っている。
All work and no play makes Jack a dull boy.
私は知らなかったが、これはイディオムとして有名なフレーズらしい。
勉強ばかりして遊ばなかったら、つまんない子供になるよという意味。
日本では「よく学び、よく遊べ」という諺が対応しそう。
とはいえ、「シャイニング」(原作者はあのスティーブン・キング、ああこわ?)を見たものにとっては、この諺、ちょっとぞっとするものを感じてしまう。
仕事ばかりして息抜きしないと狂ってしまうぞ、精神的にぼろぼろになるぞ、そんなメッセージを受けてしまうのだ。
で、今の私、別に仕事ばかりしているわけではないが、少し長期に息抜きしないとやばそうな予感がするのだ。
この欄を毎日書くのだって、本当に精神的健康を考えればよいことなのか?
ジャック・ニコルソンが毎日同じフレーズをタイプで打ち込んでいる姿と、今の私自身がだぶって見えたりするのがとても鬱。
言い換えるなら、伸び切ったゴム。
これ以上伸びないし、元へ戻る反発力も失われている。
ゴムとしての本来の役目もほとんど果たせない。
ああ、私としては最悪のイメージだ。
でも、こんなことを書きながら、英語のフレーズの雰囲気は何となく好きだ。
All work and no play makes Jack a dull boy.
よおし、おじさんはこれからdull boyになるぞー!
毎日がそれほど楽しくもない。
いつも同じところでぐるぐる回っている。
新しい発想も浮かばない。
それよりも何よりも、私には金もなく、ひょっとしたら才能もないのかもしれない。
毎日が仕事、しかし、その中味はからっぽ。
そんな日々の詰み重ねの向こうには、人格的破綻が待っている。
最近、中高年の男性がやたらと自殺するみたいだが、何かこんなメカニズムでどんどん追い込まれていくのかもしれない。
伸びきったゴムは元へは戻れない。
自分がゴムであったことを忘れてしまうしか、その人の生きる道はない。
無理してゴムであろうとすると、自分を破壊するしかなくなってしまう。
All work and no play makes Jack a dull boy.
あ、やばい、何回もこの言葉、続けてしまいそう。
映画では作家が自分で毎日タイプを打ったが、ワープロだといくらでもコピペできる。
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
All work and no play makes Jack a dull boy.
わーーーーーーー!
スティーブン・キングの作品ばかり読んでいると、このようにどんどん気が滅入って来ますので、読みすぎには注意しましょう、安部邦雄