団塊の息子と会った。
早い話、私の友人の息子である。
先日の県議選に立候補したという。今、25歳だ。
親は、極めてネガティブな反応だったという。
公示の日に、夫婦揃って旅行にでかけてしまった。
選挙運動を手伝ったり、票をお願いしたりするのは真っ平だったようだ。
結果、2000票ほど集めた。善戦である。
共産党候補が4000票だった、ここまで戦えば満足だと言っていた。
供託金を没収されなかったため、実際に使った金は20万円のみ。
その金も、カンパで十分集まった。
次の県議選は、絶対勝ちますよ。
今回の戦い方で、自分に何が足りないのかよくわかりましたから。
母親は、政治家なんかならずに、普通に仕事をしてほしいと愚痴をこぼす。
政治家は利用すべきもので、自分がなるものではないと彼女は言う。
これは私も同感だ。
で、その政治家志望の息子、現在のところプータロー君だ。
別に無理矢理働くこともなかろう、という態度のようである。
困ったものだと嘆息するのはやさしい。
こういう若者、最近増加中である。
なにしろ、私の友人の子供、まともに大学を出て就職しているなんて奴はそれほど多くない。
会社を転々と変わる奴、一流会社に入ったのに面白くないと言ってアメリカへ行ってしまった奴、デザイナー志望とかいいながら、ぶらぶらしている奴、毎日馬と生活している奴、etc。
確かに私達の時代の価値観とは違う、何か濃度の薄い価値観の上に生活しているような気がしてならない。
濃密な時代は去り、薄い塩味しかついていない存在感のない時代が続いている。
そりゃ、デフレが重なれば元気が出ないのが当たり前だ。
団塊の世代は、とっくに自分たちの子供達にあきらめを感じているようだ。
言っても始まらないし、期待してもしかたがない。
期待されない世代、それでいて、年寄りの年金とか保険の費用だけ請求されている世代。
世のバランスは確かに崩れているようだ。
困ったことなのかもしれない。
親の応援は全くなく、友達と一緒に毎日自転車で選挙区を走り回ったという彼、エネルギッシュな点は認めるけど、何か考え方があぶなっかしいなあ、安部邦雄