最近、現場の仕事がほとんどない。
どこへ行っても、経営者的な動きばかり。
今年度の資金調達とか、新規投資の可能性をさぐりに行ったりとか、市場動向の調査とか、経済動向の情報交換とか。
たまに、アーチストを見に来てくれなんて要請があって、ライブハウスとかに行くが、触手が動きそうなアーチストはほとんどいないし。
こいつらはいいな、と思ったのは一番近いのでコブクロかな。
サイモンとガーファンクルみたいな味があって、こいつらほっといても伸びて来ると思った次第。
西では、大人気グループになったが、東京から北はそれほどでもないと先日担当者が言っていた。
面白いものだ。
コブクロはレコード会社の思惑など関係なく活躍するだろう。
CDが売れる売れないだけが、アーチストの価値基準ではない。
そんな風にレコード会社が考えるのはしかたがないかもしれないが、文化とは単一基準ではかれないのは常識である。
いいものを大事に育てるというスタンスが、もう少しこの業界にほしい。
って、考えたらどの業界でも、いいものを大事に育てるなんてスタンスじゃないなあ。
放送だって、数字とれなきゃ話にならないみたいだし。
数字、数字と追求してできあがったのが、今のテレビ番組なわけで、それゆえどこも刹那的な作りしかしていない。
鉄火場的な趣さえ、今日のマスコミにありそうだ。
話もどるが、自分のこと考えたら、本当は私が経営者やっていたらいけないような気がしないでもない。
私は経営者というよりも、現場の人間なのだ。
野球で言えば、監督よりも選手が一番似合うと思う。
それが、今むりやり監督やっているのだ。
そのうち、オリックスの石毛監督みたいに、ぼろぼろにされて破綻するかもしれない。
やはり野におけ、れんげ草。
現場といって、じゃあ今の私に何ができるのか。
ミュージカル?
こんな時代に冒険はできないなあ。
イベントのプロデュース?
手間がかかる割に、儲けが少ない。
人件費ぐらいは出るかもしれないが、資金繰りが不安である。
借金して迄やる状況とはとても思えない。
ラジオの番組制作?
もう、私のようなセンスの人間の出る幕ではないだろう。
音楽なんて、細かい知識殆ど持っていないし。
アーチストの発掘?マネージメント?
24時間、業界人しないとだめだろうな。
広告の代理店やらないか?とよく言われるのだが、これもどっぷり業界につからないと商売にならないから、現実的にはできない。
やっぱり、経営者やめないと、現場には戻れないだろうな。
あ?あ、慣れぬことはしんどおまっせ。
何だ、結局経営者しかできない身体になっていたのか、生涯一捕手なんて、昔野村監督が言っていたけど、やはりそういうのって無理なんだろうな、安部邦雄