先日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」を見ながら、自民党の相澤氏の言葉にちょっと驚いた。
景気回復の秘策はデノミをすることだという。
デノミ、すなわち百円を一円にすることである。
物価が、全体に切り上がるのでインフレ効果も期待できるとか。
デフレ状況こそ、デノミの効果が一番出るらしい。
タンスに眠っている現金もこれをきっかけに表に出て来るはず、と思っているのかも。
裏の闇金も新円に変えるために表に出て来る可能性もないとはいえない。
世界での通貨の地位も上がる。(政治家は日本の威信が気になるのか、しょっちゅうこの言葉を口にする)
1ドルが1円になるとカッコイイらしい。
そう言えば1ユーロが1円になる可能性もあるし、政治家がそう言いたくなる気持ちはわからないでもない。
しかしねえ、デノミが景気回復の秘策と言われるとどうなのかな。
どうも、旧大蔵省の連中、脳内暴走が激しすぎるような気がしてならない。
脳はそれを正しいと思えば、とことん暴走するものだ。
エリートであればあるほど、この暴走は質が悪い。
やらないよりやった方がまし、というのも一理あるのだが、そこまで国民の心を弄んで、結局失敗したらどうするつもりだろう。
バブルの崩壊なんかも、ある意味経済政策の失敗である。
バブルを沈静化させたのは正しいが、不良債権の処理なんて最悪である。
人の心を弄んだものは、その人の心にしっぺ返しを食らうものだ。
下手をすれば、東海村の臨界事故みたいに、人間の力ではどうしようもできない状況になるかもしれない。
私は最近、この脳内暴走が気になって仕方がない。
前にも言ったが脳は己を最大限にしようとするが、身体は物理的な制限を常に受ける。
脳は何でもできるが、身体は物理的な限界内でしか動けない。
イライラする脳。身体は、そんな脳をいたわるように話し掛ける。
僕達は、ただの魚なんだよ。
川の流れを変えようと思っても、そんなの魚にはできない。
エリートの語る言葉には、つねにこの危うさがある。
自民党の政治家となると、これに変な経験則(政治力)が加わる。
有事立法しかり、個人情報法案しかり。
私は、ただ、彼等の脳内暴走がとても怖い。
経営者としては、デノミなんかやられたら、又経費がかかって大変というのが本音だが、それで景気がよくなって、仕事が増えるならウェルカム、問題はそのタイムラグだが、速効性がないなら、やはり賛成はしにくいかな、安部邦雄