今日も六本木ヒルズ界隈は大にぎわいのようだ。
折から、修学旅行のシーズン、うろうろする中学生の多いこと。
東京というのは政治や経済の中心地といわれているが、現象的には京都以上の観光地という感じがしないでもない。
観光客というか、お上りさんというか、一体どれだけの観光客が毎年東京を訪れているのだろう。
申し訳ないが、東京で住み、東京で働くものにとって、観光客ほど鬱陶しいものはない。
昼間の山手線が混むのは、観光客が乗るからである。
昼間ぐらい、のんびりと電車に乗させろ。
東京の食い物屋が高くてまずいのも、観光客が雑誌か何かを頼りに、有名店に押し寄せるからだ。
観光客なんか、いつリピートするかわからない。
だから、少々高くてまずいもの食わせても、どうせ次いつくるかわからない。
この店もいつまでもつかわからない。
だから、味にこだわることほど空しいことはない。
味の暖簾なんて、東京には関係ないといわんばかりだ。
ああ、刹那的、東京の街よ。
そういえば、六本木に人が集まるのと同時に、新丸ビルの客がガタ減りらしい。
昼間のランチなんか、この間まで並んでも食べれるかどうかわからなかったが、今や楽勝モードになったらしい。
1ヶ月先まで予約で満員とか言われていたのに、変われば変わるものだ。
次は、汐留が話題になるだろうし、その後は品川。
ずっと人気を保つことができなければ、どの地区もやばくなるはず。
丸ビルは、ちょっと高ビーすぎたし、あんなところ閑古鳥が鳴いても誰も同情しないだろう。
そう言えば、今日恵比寿ガーデンプレイスに行って来たが、昔の賑わいはどこにもなかった。
空しいものである。
東京の中心って、結局今はどこなのだろう。
皇居とか霞ヶ関とか永田町というのは、政治的な部分では中心かもしれない。
経済的には、かっては丸の内だったが、それが新宿が加わり、今では六本木、赤坂まで広がっている。
享楽的には渋谷と新宿。
上野とか浅草、池袋は、もう廃れる一方か。
品川って、どうなるのだろう。
新幹線の始発駅になっても、一般の人には品川という街そのものとはあまり関係無さそうだし。
後、お台場があるけど、東京に住んでいるものにとっては不便以外の何ものでもないところだし。
早い話、東京ってバラバラ。
何でもある街といえば聞こえはいいけど、イメージ的には拡散している都会という感じかな。
東京という文化自体も拡散化の傾向。
あるのは、フローな現象ばかり、なんてね。
山手線を一周すると1時間ちょっとかかる、その1時間の間、ずっと様々な町が連なっている、一周の最後の方になると、都会の風景にゲップが出て来そうになる、安部邦雄