何度も繰り返して恐縮だが、日本の経済はどう考えても未来が見えない。
政府の政策はどれも新味がなく、おそらく実施しても瞬間的な効果で終るだろうな、と思うものばかり。
銀行にいくら公的資本を注入しても、銀行自体のビジネスモデルが破綻しているのだから、効果はたかがしれている。
護送船団方式なんかにうつつを抜かしていたツケは大きいということか。
特殊法人というのも、ほとんど護送船団方式と同質の経営状況である。
政府が手を引けば、一体どれだけの特殊法人が残ることか。
国の金が枯渇すれば、困ってしまうのが特殊法人。
自分で何とかしよう、等という気はさらさらない。
何とかしろ、と言われても何もできないに決まっているが。
今の社会構造をぶっ壊さない限り、日本の経済は回復しないのは誰もがわかっていることだろう。
ただ、それでも自分のところだけは生き残りたいと思う。
生き残ろうという気持ちほど強いものはない。
例え出口が見つからなくとも、最後まで生きる希望を失わない。
本当は、生きる希望なんか早々に失ってほしいのだが、人間なんかそれぞれの事情があって今を生きている。
誰が、大義のためには今の状況を失ってもいいなんて思うものか。
道路ができるから立ち退けといわれても、簡単には立ち退かないのが普通だろう。
社会的に必要だから、あなたの権利を制限しますと言われて、誰が「はい、そうですか」とおとなしく従える?
構造改革は着々と進んでいる、なんて小泉さんは言うが、改革=権利の放棄、なわけよ。
何の見返りもなく、権利を放棄する人がそんなにいると思うか?
こんなに政府に金がない状況で、構造改革をやれるのか、本当に。
権利を放棄する代わりに金よこせ!と言われても困るだけではないか。
唯一できるのは、国民が一斉に権利を放棄することだけど、そんなの共産主義政権でも出来ない限り無理だろう。
う?ん、出口が見えないなあ。
構造改革なんて、そんな簡単な問題じゃないんだよなあ。
小泉首相が構造改革を叫べるのは、結局あの人が放棄するような権利をほとんど持っていないからだろう、派閥もなければ、政治的なしがらみもない、ただそれと改革を実行できるかどうかは全くの別問題だが、安部邦雄