朝、聞き慣れない声で目をさました。
ギャアギャアという鳥の声。
外を見ると、近くのテレビアンテナにカラスが4匹とまっていた。
一匹だけ、まともにカアカアと鳴くのだが、後の3匹は妙にくぐもってギャアギャアというだけ。
口の中も赤っぽい。
どうやら、このカラスたち、巣立ちをしたところのようだ。
まともにカアカア言っているのは、母ガラスらしい。
いいかい、お互いを確認しあう時はこう鳴くのだよ。
カアカア。
ギャアギャア
カアカア。
ギャアギャア
もう、しかたがないね。
ちょっと餌を探してくるから、みんなで練習していなさい。
母ガラス去る。
ギャアギャア、ギャアギャア。
微笑ましいと言うか、何と言うか。
いつもは迷惑なカラスだが、こういう場面を見せられると、やっぱり親近感がぐっとわいて来る。
あまり飛べないかして、羽を何度も開いてバタバタさせるのだが、うまく広がらないし、折り畳むのもうまくいかない。
実に不格好なカラス。
でも、巣立ちの頃のカラスって、ヒナと同じで口の中が赤いということを初めて知った。
まだ口をあけて、母親に餌をねだっているのだろうな。
図体だけではでっかいくせに。
私の同窓生たちも、大体、今子供を巣立たせる年令を迎えている。
面白いことに、半分はまともな職についていない。
私の友人だから、確かにマトモな考えをする連中は少ない。
その子供も、また普通の生き方を選ばないようだ。
あたりまえの親からは、あたりまえの子供しか生まれないし、変な親からは、変な子供しか生まれない、のかな?
ただ、これは偏見なのかもしれないが、親を超えるほどの魅力を持った子供、可能性を感じさせる子供って、私の周りには見当たらない。
息子も娘も、小さくまとまり過ぎているという印象。
親の方が、もっと破天荒な生き方をしていたよと言いたくなるのは何故だろう。
団塊の世代を何度も持ち出して恐縮だが、スケールにおいては団塊の世代の方が、団塊の息子より大きい感じがする。
ミニチュアというか、箱庭というか。
今の時代が元気がないのは、結局団塊の息子の世代の覇気のなさゆえかもしれない。
なんてことを、いっちょまえに図体だけオトナになった、3匹のカラスを見て思った。
世界は広いのだ。
若者達よ、もっと大志をいだけ!
とにかく、若者達が頑張ってもらわないと、年金がちゃんともらえなくなるかもしれない、粗衣粗食に耐える訓練は着々とやっているが、肝心の年金がもらえないと野たれ死んじゃうからね、安部邦雄