権力者たちの本音。
「おまえらは黙っておれたちの言う通りにしていればいいのだ。」
寄らしむべし、知らしむべからず、ともいう。
与党の政治家、高級官僚、ワンマン経営者たちの自負でもある。
どうせ、おまえらに言ってもわかるまい、任せてくれれば悪いようにはしないから、黙っておれについてこい。
報酬は、もちろん一般人より多くて当然だ。
何故なら、オレはおまえらよりはるかに中味のある仕事をしているのだから。
権力者の奢りともいえる。
原監督が解任された。
どうも読売新聞関係には、こういう理不尽なことが多い。
ファン無視、消費者無視。
だが、彼等は言うだろう。
そういう娯楽を与えてやったのはおれたちだ。
今後もおれたちが、この世界を担って行く。
おまえらは、こんな娯楽を与えられて感謝しろ。
Jリーグでも読売新聞は、権力をもって理想をねじ曲げようとしたことがあった。
都市を中核にクラブ制にしようとしたJリーグ側に、プロ野球のようなシステムを強制しようとした。
ヴェルディ川崎ではない、読売ヴェルディにしろ、と。
そして、自分の新聞や系列のスポーツ紙はすべて読売ヴェルディに。
ついでの他のチームは横浜マリノスは日産マリノスに、浦和レッズは三菱ダイアモンドレッズというふうに。
ゴリ押しもいいところ。
他の新聞やマスコミはJリーグの方針通りにしたのに、読売巨人軍で得たノーハウを活用したい読売資本は、こんなリーグはつぶしてやるというニュアンスまで臭わせていた。
そうそう、日本テレビ系列でも、読売ヴェルディだった。
そのせいか、今のサッカーファン、たいていはアンチ読売である。
自分達の企業の利益ばかり優先し、サッカーの振興なんかまるで考えていないと認識した。
あげくに読売新聞、サッカー撤退。
今、サッカーを無視することはできない日本テレビが、辛うじてヴェルディを救った。
だが、ヴェルディの人気は地に落ちた。
同じスタジアムを使うFC東京との人気度の差は歴然だ。
消費者を無視するものは嫌われる。
おれの言う通りにしていればいい、だけではもう通用しない。
消費者が次に何を望んでいるか。
プロ野球のセパ交流戦に背を向けている連中なんか、その権化であろう。
客商売なのに、儲けばかりを優先しているのが見え見えではやばくないか。
音楽業界ではCCCDしかり、著作権問題しかり。
言う通りにしていていればいいだけでは、景気の回復もありえない。
頭の中の構造改革も不可避なのではあるまいか。
おれが日本を動かしているんだと自負する連中が霞ヶ関とか永田町あたりで、ミミズのようにうようよいる、へどが出る思い、もっと等身大で生きれないものか、安部邦雄