道路公団の藤井総裁が辞任を拒んだ。
道路公団も国交省もてんやわんや。
道路公団では朝早くから、辞表の文書を作り、後は藤井総裁にサインと印鑑を押してもらえばいいようにしてあった。
ところが、藤井総裁、出社せず連絡もつかない。
国交省から指示を受けていた公団職員、さぞ青ざめたことだろう。
国交省の役人も同じ。
朝から、公団の職員が持って来るはずの辞表をじっと待っていたが、いつまでも待ちぼうけ。
せっかく大臣室で石原大臣に待機してもらっているのに、これでは面目丸つぶれ。
何だ、国交省の内部秩序はどうなっているのだ!とさぞお怒りのことだろう。
藤井総裁のとばっちりで、何人かの役人の責任がとわれることになるのだろう。
御愁傷様です。
しかし、藤井総裁が辞表を本当に持ってくるかどうか、私は実に疑問だったけどなあ。
朝のワイドショーでも、あるキャスターが私と同じようなことを思ったらしく、「だけど、辞表出さなかったらどうするの?」と疑問を呈した。
レポーターは一瞬絶句。
「え?そんなこと考えられません。出さないなんてことあるんですか?」と返事をしていた。
そんなことを言ってしまったら、これから説明することが根底から崩れる、困りますという戸惑いだったようだ。
でもねえ、やはりそれ位のイマジネーションは持つべきではないか。
役人は上の指示に抵抗しない、なんて簡単には言えない時代になりつつあるんだと思う。
権力の岩盤は今まで強固だったが、これからはどうなるかわからない。
一枚岩で何があってもびくともしない時代は過ぎ去ったのだ。
それを更に認識させてくれた藤井総裁、なかなかやるなあと私は思う。
顔は悪代官、やることは権力を傘に着たワンマンぶり。
破れ傘刀舟に滅多切りされそうなオッサンだったが、その抵抗や良しである。
やはり悪役は、最後まであがいてもらわないとね。
で、小泉さんは一体どこでオペラ見物しているのだろうか。
何か、最近バカ殿みたいに見えてしかたがない。
石原大臣は世襲で与力になったばかりの若侍という雰囲気、最近髪ばかり白くなって頼りないこと甚だしい、父が強すぎるのも考えものか、安部邦雄