先日、大阪で久しぶりにざるそばを食べた。
というか、冷たいそばというと大阪ではざるそばぐらいしかないようだ。
東京だと、もりそば、ざるそば、とろろそば、冷やしたぬき、冷やしきつねなどと盛り沢山。
そばを食べる選択肢が少ないことに何故か戸惑っている。
大阪はうどん文化、東京はそば文化というのが、よくわかる事例である。
で、そのざるそばを食べた。
つゆの中にそばをドボンと入れてかき回して食べた。
こんな食べ方は、東京ではしない。
そう、東京では、つゆは相当濃い。
少しつけて流し込む、それが一番うまい。
だが、同じようなことを大阪ですると、ただそばの味がするだけである。
だから、つけてかきまわして十分味をしみこませる。
そうしないと食べにくいというか。
昔、東京の人から「そばはやはり江戸に限る」なんて言われたりして、そうかな?と思っていたのだが、16年東京に住んでみてよくわかる。
大阪のそばは、それだけでは食えない。
コシも何もない、とでもいうのだろうか。
そういえば、うどんも讃岐に比べてコシがない。
だしはうまいのだが、麺自体の味はどうかなと思う。
ということを、今日、歌舞伎座の横のそば屋でつくづく思った次第。
歌舞伎座は今月、来月と勘三郎襲名興行で大盛り上がり、色街のきれいどころも大集合という感じで春の香り満載である、安部邦雄