奄美大島に行った時、土地の人に、「どこかでうまい昼飯を食べるところないですか?」と聞いたことがある。
車で10分ほど行ったところに「けいはん料理」の店があるから、そこがいいのではないかと教えてもらった。
けいはん料理?聞いたことないなと首を傾げたが、親切に店まで送ってあげようといわれ、その人の車でそこへ行った。
けいはん料理、私が関西人ということもあるのだろうが、頭の中では京阪料理と翻訳していた。
京阪料理ねえ、京都風の料理が奄美大島まで伝わって、京阪料理というようになったのかな、と思ったりした。
店について、メニューを見て初めてわかった。
鶏飯料理のことなのだ。
といっても、かしわ(鶏肉)の入ったかやく御飯のようなものではない。
確かに鶏肉は入っているが、鶏でとったスープを御飯の上にかけて食べる、言わば「ぶっかけ飯」のようなものなのである。
それをパパイヤの漬け物と一緒にガサガサとかき込む、実に味わい深い料理であった。
名物にうまいものなし、と言うが、けいはん料理は文句無しにうまかった。
その店は、市街地から少し離れていて、車でしか行けない場所にあるのだが、お客さんも満員だったところをみると、地元の人にも相当評価されているのだろうと思う。
奄美に行けば、是非けいはん料理をご賞味あれ。
ただし、どこの店で食べてもうまいというわけでもなさそうだ。
帰りに空港の食堂で食べてみたが、スープの味はイマイチだったので、食べるときには気をつけて店を選んでほしい。
とはいえ、奄美大島、最近は観光スポットの人気は沖縄に相当水をあけられているという印象だ。
東京からも飛行機は一日一往復、それも150人程度の客しか乗れないDC-9(MD89)クラス。
これと言った産業もなく(真珠の養殖ぐらいか)、このままではどんどん過疎化するのではと心配になる島である。
けいはん料理もいつまで食べられるかわからない。
東京でも大阪でも、「けいはん料理」を出す店を知らないので気になってしかたがない。
どなたか「けいはん料理」の店って、知ってます?
よろしかったら、私にまでメールを送っていただけるとうれしいのだが、そもそも「けいはん料理」を食べたことがある人がどれだけいるのか、気になるところではある。
沖縄で潜るよりも奄美で潜る方が魚影も濃いし、魚のバラエティも豊富ですよと、とりあえず奄美の宣伝をしておきます、安部邦雄