久しぶりに昼食に寄った店。
12時を40分すぎたばかりなのに、すでに閉店の看板に変わっていた。
えー!せっかく楽しみにして来たのにー。
しかし、店は灯りがついていたから、中では最後の客がまだ残っているのだろう。
それから何日かして、今度は12時半ぐらいに行ってみた。
いつもの通り、ランチを注文。
しかし、前ほどの客はいない。
従業員も料理人とおばさんだけ。
料理人がお客さんと会話をしている。
「久しぶりに来たのに、お客さん減ったわねえ」
「最近、全然だめ。前はランチの時も1時ぐらいまで一杯だったのに、御覧のような状態。」
「不景気なのかしらねえ。」
「夜でも、店開けて1時間しても、客一人ということもあるよ。この前なんか、結局最後まで一人しか客来なかった。開けているだけ損だねえ。」
ふうん、と聞きながら思った。
ついこの間まで、来る客を断っている印象が強かったのに、今では客が来なくなっているなんて。
味が落ちていると言うわけでもないのにねえ。
しばらくして、店にいた客は皆帰ってしまい、私一人だけになった。
まだ12時35分である。
えー!客はオレ一人かい!
従業員は、私に料理を出し、そのまま店の片づけを始めた。
もう客は来ないと踏んだのだろう。
「閉店出しといてー」
オバさんにそう言った料理人。
そうかあ、前来た時もこんな状態だったんだなあ。
でも、どうしてこんなに客が減ったのだろう。
ランチの値段は、600円。
味もそれほど悪くない。
なのに、客がいない。why?
前から思っていたことは、全体的に店の客扱いは粗雑だったということ。(偉そうにしていたわけではないが)
勝手に開けたり閉めたりしているという印象があったこと。
つまり、食べたいと思って行っても、店の都合で勝手に閉めてしまったりする。
混んでいることが多い。
そのため、断られることが多かった。
店の人が、よく客の悪口を言う。
マナーが悪いということらしいが、どうも客を客だと思っていない印象も感じられた。
で、客が一度引いてしまうと、ちょっと足が遠のくということだ。
客が来ないといって、店を12時40分に閉めるかー?
客は、この店は自分にはあまり優しくない、そう思って2度と行かなくなるということもありそうだ。
開けていても客来ないんだよねえ、という店の人のぼやき。
本当に開けていれば客は来ないはずはない。
そちらから、客への心の扉を閉じているだけではないか。
雑誌に取り上げられすぎて、商売人としてのモラルを失ったんじゃないの?
いつでもサービスの扉は開いてますよ、そういうメッセージがこの店にはないのだ。
味が良ければ客は来るなんて一概には言えないと私は思うんだけどなあ。
だけど、昼時に客が私ひとりなんて、前には考えられないことだった、食べながら何か話しかけようかと思ったが、変なこと言いかねないので黙々と食べて金置いて帰ってきた、前はとられた消費税が何故かついていなかった、安部邦雄