テレビを見たり、新聞を見たり、街を歩いたりして気づくこと。
既に、人々は非日常モードに切り替わっているということだ。
仕事は終り、後片付けやって、家の掃除をやって、里帰りしたり、旅行に出かけたり。
それは既に日常的モードを切り替えた人々の営みである。
テレビでは、残すところ後3日などと言い、新年の準備に忙しい人々の模様を映し出す。
毎年思うのだが、どうも私はこのモードの切り替えに取り残されているようだ。
私の目の前には、依然、日常的な仕事の懸案が残されているし、来年になったら早速とりかからないといけない作業もある。
とても非日常的モードになって、♪もういくつ寝るとお正月?、なんて歌う気分にはなれない。
早く、人々が日常的モードに戻ってくれて、私が投げかけた課題に回答してほしいと思っている。
少年老いやすく、学なり難し、というのに、正月だとかゴールデンウィークだとかお盆だとか、非日常的モードにすぐ切り替わってしまうのもどうかと思う。
光陰の一寸、軽んずべからず、というのに、人間をどんどん怠惰にする、この非日常モード。
日本人って、ひょっとしたら世界で一番、頻繁に細かく休む民族ではなかろうか。
それも、みんな一斉に。
民族が一斉に非日常モードになる、何か集団ヒステリーに近いものがあるんじゃないだろうか。
ばらばらに休むとか、1ヶ月休んで、後はずっと働くとか、ちょっとは非日常的モードの個人的ばらしってことできないものか。
私だけ、ひとり日常的モードに入っている。
あまりに寂しいではないか。
正月なんか3が日で充分ではないか、細かい休みはいらん、休むなら皆バラバラでたっぷりと、ないものねだりの安部邦雄