久しぶりに私の本職である、放送番組制作の話を書く。
え?本職って、番組制作なの?と聞き返されそうだが、どうも一番得意なのがラジオ番組の制作のようだ。
放送プロデューサーというのが、自分でもしっくりおさまるのだ。
イベントにしても映画にしても、企業のコンサルタントにしても、放送の派生で何とかこなしているにすぎない。
本当は放送プロデューサーの仕事だけで、毎日を過ごしたいと思っている。
だが、ラジオなんて予算がまるでない。
いきおい他の分野に手を出すしかなく、又、新たに学習する事も多い。
私の心の奥底の願望
ああ、ラジオ番組のディレクターしたい・・・
やはり現場がいいのである。
それもプロデューサーみたいな、結局見ているだけしかないような立場ではなく。
ま、それはそれとして・・・
たまに、放送の制作現場に顔を出すことがある。
その時、とてもイライラすることに、ディレクターが段取りだけ指示して、少しも演出をしないというのがある。
ここは、こういう風にやってださい、これはちょっと長くなりそうなので、後で調整(編集)しますから、時間は気にしないで自由に喋って下さい。
注意するところはこことここ、少し低いトーンでお願いします。じゃ、よろしく。
私なら、これ位の指示はいつもしていた。
それが、今のディレクター、しゃべるタイミングを指示するだけで、後はおまかせ、という感じ。
おまかせした以上、口出しはしませんとでも言うかのようだ。
特に相手がビッグなタレントになると、言葉は増々減る。
まるで面白くないバカ話に大袈裟に笑って、終わったら、OKです、最高です、などと抜かしている。
どこが最高やねん、くだらない。
心の中で呟く私、別に口出しする立場にないので、それ以上かかわらないが、そりゃ皆ラジオを聞かなくなるはずだ。
スタジオの時間がないとか、タレントが忙しすぎて打合せの時間がない、などと言う連中もいるが、そんなの段取りの仕方で何とでもなるだろう。
第一、制作者側の意思とか、リスナーの希望などをちゃんとタレントに伝えているのか?と言いたい。
ディレクターは言うならば、タレントに対してリスナーの代弁者にならないといけない立場だ。
リスナーの気持ちで、タレントの言葉を聞かないといけない。
たいこ持ちの役なんか、誰も頼んでいない。
テレビのリポーターの言葉に、私は国民の皆さんを代表して聞いているのです、なんてミエを切るのがあるが、ラジオのディレクターも、それぐらいの気概は持って欲しいものだ。
強いものにはへつらい、弱いものには横柄にするディレクター、そうなったら最低である。
くれぐれも、リスナーの代弁者であることを忘れずに、番組の制作に取り組んでほしいものだ。
番組なんて、丁々発止がなければ、やる方も作る方も聞く方も面白くないと私は思う、おまかせおまかせじゃ、何の張り合いも生まれない、制作者側に自信がなさすぎる、もっと勉強しろ!と苦言を呈しておく、安部邦雄