会社の近くのマクドナルドからマックビジョンが消えていた。
土足マーケティングの象徴と言って、この欄でも批判していたビジョンである。
面白くない、うるさい、リピートが頻繁で不快。
スタートの頃は、画期的なシステムだなどと言っていた奴もいた。
もちろん、某放送局の関係者であるが。
サプライアーのことばかり考えるから、そんな判断ミスを犯すんだよ。
ユーザーの身になれば、何のメリットもないことぐらいすぐわかるはずなのに。
視点を入れ替えるということって、口で言うほど簡単なことではない。
そういう見方を一度してしまうと、なかなか逆から考えるなどということはできにくいものだ。
脳細胞にあるバイアスをかける、するとそれが判断の基本フォーマットに組み込まれ、本人は自分にそんなバイアスがかかっていることを自覚出来なくなる。
催眠術なんかもこれだし、宗教等のマインドコントロールというのもそうだ。
自分でバイアスに気づき、それを取り除くことは難しい。
三つ子の魂、百までなどとも言うし・・・
ところで、マクドナルドのななめ前にあったウェンディーズが1月末で閉鎖したことは先日書いた。
これで、ウェンディーズの客がマックに行き、前より繁昌しているかと思うと、それは違うのだ。
ウェンディーズの客は、どこかへ消えてしまったというのが私の感想。
何だか、マックの客も一緒になっていなくなったような感じも。
ひょっとすると、2軒が向かい合って客を取り合う形の方が、集客力は上がるのかもしれない。
そこへ行けば、ファーストフードが二軒ある。
どちらか空いている方(或いはその時入りたくなった方)に入ればいいという態度(かまえ)が事前にできるわけだ。
ところが、一軒だけになると、この選択という意志が働かない。
そこへ行くという意志が働かない限り、マックに行こうという行動は生まれない。
商売敵がいなくなれば、その客がみんなこちらに来るなんて思ってはいけない。
かえって、自分の客も減る可能性だってあるのだ。
さびれゆく商店街なんか、その典型であろう。
商売は難しい。
ウェンディーズも消え、マックビジョンも消え、そして顧客もいつのまにか消えている。
代々木が少し寂しく見えるのは、街が衰退を始めたからなのだろうか。
何だか最近、とても不便に思えるのだが、家来諸君はどう思う?
一番近くのコンビニがなくなり、弁当屋がなくなり、パン屋がなくなり、和食系のチェーン店がなくなった、後は空いたまま、こんなに予備校生や専門学校生が一杯いるのに、どうして?安部邦雄