夜のウォーキングに出て、12時頃に必ず会う女性二人組がいる。
どちらも、黒いコートに身をつつみ、頭にはフード、顔にはマスク。
何も言わず、黙々と歩いている。
無気味以外の何ものでもない。
いきなり会うとギョッとするはずだが、一体この二人、何故こんな格好をしているのだろう。
本人達は多分、目立ちたくない、どこの誰かを悟られたくないと思っているようだ。
つまりこの二人、町の野良猫に餌を与え回っているのである。
昼間だと、猫が糞をするので、餌を与えるなという住民からの圧力がある。
至る所に、ここで猫に餌を与えるなと書いてあるのだ。
だから、この二人は深夜、住民が外を出歩かなくなる頃、夜陰にまぎれて猫の集まる場所にやってくるのだ。
そこまでして、何故にこの人たちは野良猫の世話をする?
実は、他にも猫に餌をやる人が2人ほどいる。
一人は、半分ホームレスみたいなオッサン。
いつも、自転車に乗ってやってきては、そのあたりに餌をばらまく。
人との接触は大嫌いという風情。
猫だけが友達なのかもしれない。
もうひとりは、どうみても主婦という格好をしたおばちゃん。
最近、見ないがこちらは引っ越しでもしたのだろうか。
ブラック・ウーマンはついでに、川にいるカルガモにも餌をまく。
おかげで、その時間になるとカルガモがガアガア餌をねだる声を上げてややうるさい。
先日、狸を見たのも、このブラック・ウーマンとすれ違った時だった。
狸迄も餌付けしているのかこの二人は。
しかし、世の中には白装束の妖しげな集団もおれば、こんな黒ずくめの餌付け集団もいる。
本人達は、誰かの指令に従ってこんなことを毎日続けているのかも知れない。
そのうちに、この町は猫を操る不可思議な集団によって占拠されるのだろうか。
そういえば、7?8年前迄は、この近くはオウムの巣でもあった。
夜、歩く若者に出会った時、私はいつもVXガスをかけられないかとヒヤヒヤしていたことを思い出す。
夜中、橋のたもとでよくお巡りが自転車の検問をやっているのも無気味、
盗難自転車のチェックをしているらしいが、最近は警察も信用置けないので怖いのだ。
何なのだろうね、あいつらは。
警察の不祥事が続発しているが、あいつらほど自己防衛のやり方が下手なやつはいない、警察は何やってもいいと本当に思っているなら未来はないぜ、全く、安部邦雄