ネット時代が本格的に始まっている。
ネットビジネスは、依然手探り状態ではあるが、少しずつ揺籃期を脱し、育成期に入ったようである。
これからである、インターネットが本来の機能を発揮するのは。
今、ネット機能として喧伝されているのは、その一部でしかないと私は思う。
まだまだ、こんなものではない。
後10年ぐらいたったら、一体どんなネット社会になっているのか。
期待半分、不安半分な心境だ。
ところで、最近危惧していることがある。
インターネットを駆使するものの、行動力のなさだ。
頭ばっかり発達してというか、知識ばかり集めて、それで一体あんたは何がしたいんだと思うことが多い。
ものの見事なデータベースだ。
よく調べている、リンクもすごい。
で、これらを通じて、貴方は社会にどうコミットしていくつもりなのだ。
サイトを作って、集めたデータを書き込んで、それで貴方は何をしたい。
マニアというか、オタクというか、集めたものを自分の家で眺めているだけじゃないのか。
確かに皆に公開して、さも社会に貢献しているような気になっているのかもしれないが、収集癖で満足している連中と大して違わないのではないかと危惧するのだ。
ネットを活用しているから、俺は社会に適応しているんだと思っていたとしたら、マンガである。
ネットをオタクの溜り場にするなら、こんな非効率なことはない。
立派な意見もけっこう。
貴方が集めてきた情報も貴重だろう。
しかし、いつまでモニターの前に座っているのだ。
いつまで、指先だけで人生を弄べば気が済むのだ。
動かないなら、そのままコンピュータになってしまえばいい。
ネットに逃込むな、ユーザー諸君。
人間は動いてこそ、人間なのである。
社会とのコミットは、ネットがあれば充分だと言いかねない風潮を感じるのは、単なる杞憂なのだろうか。
ネットは便利だが、そればかりに頼るのは危険だとそろそろ誰かが言うべきではないだろうか、行動なき理論は無、そんな言葉を少し思い出した、安部邦雄