パスタを食べに入り、ついでに赤ワインをデカンタで頼んだ。
しばらくすると、ウェイトレスは白ワインを持って現れ、お待たせしました、と言った。
違うよ、私の頼んだのは、それじゃない。
あ、すみませんと言うと、彼女は厨房に戻り、今度はロゼを持って現れ、申し訳ありません、と謝った。
それも違うよ、頼んだのはそれじゃない。
え、本当ですか、再び彼女は戻っていき、やっと赤いワインを持ってきた。
そして、こう言った。
あなたは、正直なお方です。
その気持ちに打たれました。
この赤ワインは、どうぞサービスでお飲み下さい。
いやあ、やっぱり人は自分の気持ちに正直でないといけませんねえ、って、違うだろう!
ま、金の斧、銀の斧のパロディでした。
しかし、今日本当にこんな目にあったのだ。
ロゼを持ってきた時に思わず笑ってしまった。
赤ワインをデカンタで、と強く言ったはずだろが。
白が間違っていると思ったら、次に持って来るのは普通赤だろう。
ロゼなんか、デカンタで飲む奴どれだけいると思うんだ。
大体、おれが注文した子が持ってくるべきだろう。
何で違う子が、お待たせしましたといって、持って来るのだ。
アルバイトなんて気楽というか、適当すぎるんだよな。
しかし、若い頃なら、ウェイトレスが間違ったものを出しても、あまり文句も言わず受け取ったような気がする。
違います、というと何か精神的にストレスがかかる。
それだったら、そのまま受け取っておいたほうが後腐れがなくていい。
我慢してしまうのだ。
悪いのは私ではないが、もう自分さえ我慢すればよいと思ってしまうのだ。
こんな性格で、何度損な目にあったかわからない。
いつのまにか、私が悪者になってしまっていても、まあいいや、俺が我慢すればいいのだと直ぐに思ってしまうのだ。
後で、大損こいたことも数しれず。
人がよすぎる、もっと自分を主張しないといけない、とよく忠告を受けた。
だが、その忠告した人間も、別な場所で結局私に責任をおしつけて、涼しい顔をしていたりするのだ。
便利な男だったんだろうな。
人の責任まで、代わりに引き受けてくれて。
逆のことは私はできない。
人に責任を押し付けること等、わたしは絶対にできない。
ああ、損だ、本当に損な性格だ。
とはいえ、50を過ぎた頃から、私の性格も少しずつ変わってきた。
文句を言う時は言わないといけないと自然に思うようになった。
だから、注文して違うものが出てきたら、即座にはねつける。
聞いていた条件と違ったりしたら、四の五の言わずに席を立つ。
腹が立てば、思いきり怒る。
ま、できる範囲でですが。
こんなこと書きながら、昔の色んな損した場面を思い出してきた。
段々、腹が立ってきている。
くそったれー、あの野郎ー!
やばい、今日はこれ以上書いていると、やけ飲みしそうだ。
ま、そういうことで又明日。
最近、私のマックも色々と問題起こして、さっきもフリーズしてイライラさせてくれた、今日はとてもいいことが起きますよ、とテレビの占いで言っていたのに何も起こらない、つまんねえ人生だ、ぶつぶつ、安部邦雄