三田誠広『中年って何』を読んだ。
芥川賞をとった『僕って何』をもじっているのだが、小説ではなく、団塊の世代よ立ち上がれ、みたいなエッセイ。
三田さんは私の高校時代の先輩。
私が一年の時に、既に「文芸」の学生小説コンクールで佳作になり、文壇でも知られ始めていた。
佳作と言っても、他に入選作はなく、実質的な一等賞だった。
雑誌「文芸」に、全編掲載されていたので、私も貸してもらって読んだ。
高校生の作品としては、そこそこのものだったのだろうが、今から考えるとどうってことない話のような気もする。
三田さんは、高校の2年先輩なのだが、途中で一年休学していた。
やはり文学青年は、精神的に病まないといけないのかなと私も詩の世界でゴチャゴチャやり始めていた頃なので、暗い気持ちになったりしたものだ。
ま、それはそれとして。
三田さんはこの本の中で、時代を牽引してきたのは、団塊の世代だと語る。
これは私も何度も指摘していることだ。
で、その団塊の世代が、まもなく老年期を迎える。
労働もしないで、年金でのうのうと暮らそうなどという膨大な固まりが嫌が応でも生まれて来る。
これは大変な事態なのだと。
ところが、政府も政党も、ろくすっぽこの事態を議論せず、何とかなるさ、みたいな無責任な政策を続けている。
今こそ、団塊の世代は、昔とった杵柄で、老人全共闘として決起せよ、などと書いてある。
敵は、まず今の老人層だという。
団塊の世代より10?20才上の層を何とかしないといけないらしい。
彼等は、払った以上の何倍もの年金をもらい、それを使いもしないで貯金している。
今の制度を変えるなと言う。
波風をたてるな、このまま静かに暮らさせてくれと言う。
議員年金を廃止するみたいな話が出てきた時も、60以上の議員は同じようなことを言って反対しているのは御存じの通り。
こいつらは壁なのだ。
団塊全共闘は、この壁を突き崩さないと未来はない。
団塊の世代は、逃げ切れると思ったら大間違い。
やがて、若い世代が反撃に出るだろう。
その時に、一番責められるのは団塊の世代なのである。
今、ぬくぬくと年金生活をしている連中は何の咎もないかのように言われかねない。
そんな事態になる前に、我々がそんな連中の既得権をぶっ壊しておかないといけない。
団塊の世代よ、団結せよ、俺達にはかって輝かしい全共闘の時代があったではないか。
ま、こんなような話かな。(曲解していたらごめん)
とはいえ、団塊の世代が団結するとは思えないし、全共闘運動が成功したとは思えないのだが。
確かにこのまま老人の固まりが生まれた時に、それを今の老人のように遇するかというと、甚だ疑問ではある。
働き続け、そして年金も70才を過ぎないと払われないということも。
ああ、遠ざかる年金生活。
貯金のない私はこれからどうしたらいいのだろうか。
貯金よりも借金どうするという話もある、ああ、国が国債と言う形で国民に借金できるように、個人が国から借金できればいいのだが、ある時払いの催促なしということで、安部邦雄