素朴な疑問なのだが、自衛隊のイラク派遣を積極的に指示している連中って、結局自衛隊を今後どうしたいと思っているのだろうか。
アメリカの後ろからのこのこ付いていくだけで、治安活動もしないし、こちらから発砲もしない、何かあったらコンテナに逃げ込むような自衛隊で良しとするのか。
そんなわけないだろう。
本当はアメリカみたいに占領軍として君臨し、国威の発揚に務めてほしいと思っているのではないか。
今の日本は国力に比して余りにも蔑まれている。
経済力でも軍事力でも日本は偉大である、それをアジアに、世界に主張しよう。
日本人の優秀さを見せつけてやるのだ。
自衛隊よ、力を見せつけろ。
日本軍がどれだけ強いか、世界に見せつけてやれ。
そんな軍国日本の亡霊に取り付かれている連中も多そうだ。
そんな独り善がりな妄想が、ほとんどの人々には迷惑以外の何ものでもないのだが。
自衛隊を、そんな国威発揚の道具にするのはやめさせないといけない。
できてしまった子はしかたがない。
道をはずさず、人に迷惑がられず、善意のかたまりとなって民衆に奉仕してほしいと祈らずにはいられない。
ファシズムの先兵となって、人を殺害したり虐待したりするロボットにはなってほしくない。
しかしねえ、何かやばそうな雰囲気も最近するのだがなあ。
防衛庁を防衛省にしろだの、階級の三佐とか一尉とかを昔の大佐とか少尉とかに変えろなんて言っているし。
理由がすごい、そちらの方が世界共通で覚えやすいだろうとか。
何か単なる懐古趣味、あるいはアンシャン・レジュームへの回帰というか。
結局、天皇を中心にした神の国をまたまた作りたいだけなのだろう。
迷惑な話だ、天皇にとっても皇太子にとっても。
全体主義はいやだ、軍国主義はいやだ。
なのに、何故に人々が沈黙する中、軍靴の音だけがこんなに鳴り響くのだろう。
警察権力は、政府に異を唱える者に簡単に手錠をはめかねない。
煽られた政治家が、善良な市民を反日分子とレッテルをはる。
平和の鳩は再び傷付き、黒い鴉の群れが上空を飛び交う。
もう行き着くところまで行くしかないのだろうか。
それとも・・・
我田引鉄の如く整備新幹線は着工され、無駄な高速道路は作られ、減反政策は続き、郵政は民営化されない、年金はいびつなまま継続し、政権党は宗教集団に影響されながら腐敗を続ける、どこに人々の夢はあるのか、安部邦雄