昨夜は、モバイルの調子が悪いのか、プロバイダの問題なのかわからないが、全くネットに接続できなかった。
1時間ばかり悪戦苦闘。
やはり旅先での接続は難しい。
昨日用に書いた原稿があるので、とりあえずそれを下にアップして今日の更新に変えさせてもらう。
遅れてくる男
今日、イベントに出席するため、友人と待ち合わせをした。
彼の車にピックアップしてもらう予定だったのだが、時間になっても彼は来ない。
6月半ばなのに30度を超える暑さ。
熱を照り返すアスファルトの上で、じっと彼を待っていた。
そういえば、昨年もこんな経験したことを思い出した。
場所は違うが、相手はやはり彼。
この時は、30分ほど待った。
陽を避ける術もないところで、いつ来るかもしれない彼を律儀に待ち続けた。
まあ、今は携帯電話があるので、我慢できなくなれば涼しいところへ逃げることもできなくはない。
まもなく着くから待っていてくれというので、そこにいたのだった。
しかし、結局30分待たされた。
道に迷ったとか、行き過ぎたとか色々な言い訳を携帯で伝えてくるため、私は同じ場所でただ耐えるしかなかった。
それを思い出したのだ。
今日は一体何分私を待たすのだろうか。
学生時代、彼は会合に2時間遅れてきたことがあった。
寝坊したというが、それでも2時間も遅れて来るというのが私には信じられなかった。
その頃は、携帯なんかない。
駅前集合だったので、電話連絡もつかない。
私たちは、その日のスケジュールを繰り延べする形で彼を待った。
皆、彼が遅れてくることに寛容だったとでもいうべきか。
遅れる人は遅れるような人生観を持っている。
今さら、それは変えられないようだ。
幸いなことに今日の彼の遅れは10分だった。
その分、イベント会場への到着も10分遅れた。
申し訳ないと私は思ったが、彼は自然にそのイベントの中に吸い込まれて行った。
彼の時計は社会の時計より、きっと10分はいつも遅れているに違いない。
そのずれは、彼にとって自明のことなのだ。
かくて彼の世界は今日も、朝から夜へと移って行くのだろう。
毎日毎日ヒヤヒヤしてネットに接続している。そのために使うエネルギー量も馬鹿にならない、安部邦雄