最近、架空請求による詐欺が大はやりらしい。
私のところにも、メールとかで何だらかんだら書いた請求が届く。
金払え、期日はいついつまで、払わないとどうたらこうたら。
そんなアダルトサイトなんか知るかよ、ぼけ!
私なんかまだこういう請求に耐性があるからいいが、あまり修羅場的経験の少ない人はさぞ驚くことだろう。
請求額も大したことはない、かかわり合いをこれ以上持ちたくないし、どうしようか。
まずは、とにかく無視しよう、これは何かの間違いだと思い込もうとするはず。
で、しばらくヒヤヒヤしながら、何ごともなかったように振る舞おう振る舞おうとする。
それで、相手がそれ以上何も言ってこなかったら、少し安心。
でも、2?3日後、期日は今日中、早く振り込みと催促が来たらどうなるだろうか。
払わなければ、家に行く、会社におしかける。
それでも、ほっておけるかどうか。
大体、人はトラブルには関わりたくないと思っている。
他人の身に同じようなことが起こっても、冷静にああしろ、こうしろと言えるくせに、いざ自分のことになるとどうしていいのかまるでわからなかったりする。
どうしよう、どうしようと思いながら、どんどん自分を悪い選択へ悪い選択へ追いやってしまう。
そりゃ、そうだろう。
そういう人間心理があるから、こういった架空請求詐欺が成立するわけだから。
みんなが冷静に対応できるなら、こんな悪徳商売がはびこるわけがない。
オレオレ詐欺でも、何でこんな単純な手に引っ掛かるのだと言う人がいるが、それは貴方が当事者じゃないからだと言っておく。
当事者の不安心理はよくわかる。
普段から、精神的に追い詰められない訓練とか、パニックに陥らない訓練とかしていない限り、大抵の人は自分をコントロールできなくなる、それが人間の真理なのだ。
今日、NHKで「架空請求詐欺」に騙されないための心得を特集していた。
弁護士さんが、請求文書をちゃんと読めば、こんなもの無効ということがよくわかります、などと言っていた。
その通りだと思う。
しかし、ちゃんと読めるような精神状況が作れればの話だ。
そんなことを指摘する前に、社会がシステムとしてこれらの詐欺行為を排除するフォーマットを作っておくべきではないか。
公的機関が何らかの無料相談センターを用意して、24時間対応できるようにしておけば、こんな人間の弱味をつくような悪徳商売はできなくなるはず。
今は、ついでにアリバイ程度にやっているだけ。
どこか、騙されるやつは、騙されるやつが悪いという考え方がはびこっているようだ。
バカは騙されて当然、そんな風潮すらある。
人間、そんなに強い存在じゃないよと、私は心から言いたい。
頭がいいからといって、パニックにならないとは言い切れないのだから。
事なかれ主義というのだろうか、自分さえよければ他人のことなんか知らんという風潮が強くなっている、トラブルに巻き込まれたくない、外で人と接触したくないとか、電車の中で弱者に席を譲らないと言うのも精神的には同じなのだろう、安部邦雄