佐野眞一著『カリスマ』(日経BP社)を読んでいる。
ダイエーの創始者、中内功氏の功罪について克明にルポしているノンフィクション本である。
全部で673ページ、1ヶ月近くもかかってやっともう少しで読み終わる。
ダイエーは、1957年(昭和32年)、主婦の店ダイエーとして私の実家のある千林に第一号店を出した。
その頃のことは、今も鮮明に記憶している。
最初は薬の安売りの店として生まれ、しばらくしてお菓子類を中心とした食料品を置き出した。
子供心にも、その安さには驚いた。
定価販売が当たり前、菓子を買うとしたら専ら駄菓子屋というのが常識だったのに、ダイエーはそんなライフスタイルを簡単に打ち砕いた。
それから、遠足へのおやつは、誰もがダイエーで買うようになった。
子供が団塊の世代として一杯いた時代である。
ダイエーの売り上げがどれだけ伸びたかは、今では想像すらできないかもしれない。
価格破壊、流通革命、消費者本位の商売を標榜していた中内氏。
立志伝の中の人物として定着していった、その中内氏も今では見る影もなし。
子孫に美田を残さずという格言からも背を向け、古色蒼然とした世襲の道を邁進していった中内氏。
そんなダイエーも、今や風前の灯火になるとは・・。
この本の話、明日も書くことにする。
一日書類作りに追われ、へとへとの私、しかも2時間もかけて書いた力作が、不注意で全文消去されるなんて情けない目にもあった、本のことなんてコメントしている場合では今もない、安部邦雄