あるところで食事をすると、帰りに福引き券というのをくれた。
福引き1回分あるので、表の会場でガラガラやってみてくださいと言われ、柄にもなくその列に並んだ。
何かてれくさいなあと思わないでもなかったが、他にもサラリーマンぽい人が並んでいたのでその後尾についたわけだ。
ガラガラガラ・・・、子供の頃から見なれた道具である。
私はそれをガラガラと呼んでいたが、東京ではもっぱらガラポンと呼ぶようだ。
そういえば、政治の世界でガラガラポン、略称ガラポンという言い方をよくするが、この道具から来ているのかもしれない。
関西人の私、どうも政治評論家達が使うガラガラポンと言う言葉に違和感を感じるなあと思っていたら、やはり東京系の言葉だったからか。
ガラガラとまわして、ポンと出るからガラポンと説明してくれる人がいた。
ま、私はガラガラでいいのになあ、と頑固に思っている次第。
ところで、このガラガラ抽選器、正式名称は「新井式廻轉抽籤器(カイテンチュウセンキ)」と言うそうだ。
帽子屋だった新井さんが、帽子の入っていた箱を使って考案したらしい。
日本にしか存在しない道具かもしれない。
抽選会場がガラガラガラガラと賑やかになるので、今も使っているという。
コンピュータとか三角籤とかは、どうも音的に盛上がらないと言う理由もあるようだ。
さて、私の前に並んでいた人、次々にガラガラ回すが白のハズレばかり。
駄菓子を一個もらって、苦笑いしながらその場を離れて行く。
「はい、1回だけまわしてください。」
担当のお兄さんが愛想よく声をかけてくる。
1回しかできないんだから、おそらく白だろうと思っていたら、出てきたのは赤。
おっ、赤じゃん。
途端に、あの豆腐屋がよく持っていた洋リンという騒がしい鈴がカランカラーン、お兄さん大当たりー!
グァム旅行に御招待ー!おめでとうー!
嘘、嘘、そんな豪華な商品、簡単にはあたりません。
実際にあたったのは商品券。
お、今日の飯代、タダになったじゃんと言うぐらいのものだ。
でも、一回しかチャンスがないのに、それで当たるなんて、何て運がいいんだろう。
でもなあ、こんなところで運を使ってしまっていいのか?
これから、もっともっと運を味方にしないといけない身なのに。
でも、そんなことでも、気分はちょとウキウキ状態。
今日はそんな運のおすそわけということで、この欄に書いてみました。
でも、こういう福引きって、普通はあまりやらないんだけど、生ビールにほろ酔い気分だったので恥ずかしげもなく参加したわけ、そういえばガラガラで何か当てた経験、今までなかったような気がするが、安部邦雄