大阪に来ています。
最近、東と西を行ったり来たりで、今自分がどちらの文化圏にいるのか混乱したりします。
エスカレータなんか、毎回躊躇する。
ええと、右に立つのかな、それとも左。
統一してほしい気もするが、これぐらいの文化の差はあってもいいかなと思ったり。
もし、これが車の世界にも通用するようになったらどうだろう。
東京では、車は左を走るが、大阪では右とか。
面白いなと思うが、本当にあったらちょっと怖いかも。
そうそう、先日ある喫茶店に入って、思わず「レイコ」と頼んでしまった。
するとウェイトレスが「アイスコーヒーですね。」と聞き返してくれた。
お、わかっているなあ、この子、大阪出身なのかなと思って顔を上げて、はたと気づいた。
私は大阪の喫茶店にいたのだった。
そう、今どちらににいるのか、時々わからなくなるのだ。
ちょっと、移動し過ぎなのかもしれない。
久しぶりに言葉のことを書く。
東京で使われている言葉で、幾つか不快な言い回しがあると前にも書いたと思う。
「かたす」とか「みたく」とか「何げに」とか言う類の言葉だ。
それで一つ思い出した。
ある女の子が私にお菓子を差し出しながらこう言ったのだ。
「安部さんも、食べな。」
食べな?おれは犬か?
何かぞんざいなニュアンスを感じて仕方がない。
やりな、書きな、食べな、何か目下のものに命令している口調に聞こえてしかたがない。
先ほどの女の子、自分では安部さんも食べたら、というつもりで言っているのだが、「ポチも食べな」と言われたような気がしてしかたがないのだ。
ことほどさように、東京の言葉には大阪人を痛く傷つけるようなものが意外とある。
ひょっとすると、逆もまたいっぱいあるかもしれない。
大阪人は、そのあたり無頓着で知らぬ間に東京人を傷つけていることは十分考えられる。
私も傍若無人に大阪弁を喋っている場合ではないかもしれない。
大阪にいるとプロバイダとの接続がどうもうまくいかない事が多い、ダイヤルアップではそろそろ限界かも、安部邦雄