近頃、毎朝ウグイスの鳴き声で起きる。
今の時期、ウグイスはとても鳴くのがうまい。ちょっとスマイリーな毎日だ。
私は杉並区の閑静な住宅街に住んでいる。いつのまにか8年が過ぎた。
来た頃と変わったのは、何と言ってもカラスの数。
朝5時頃、裏の川沿いを散歩していると、森から次々にカラスの編隊が小さな分隊毎に飛んでいく。
まるで飛行隊の出撃のように。
大抵、太陽を背にして飛ぶ。つまり西へ飛んでいくのだ。
そして、夕方やはり、夕日を背にしてねぐらへ戻ってくる。
何か理由があるのだろうか。
ただ、今年はカラスの数が少し減ったように思う。やはり冬が寒過ぎたのかもしれない。
カラスが増えることに不快な感想を持つ人が多い。確かに空から糞を落とすのは本当に迷惑だが、それでも、私はそれは自然が残っている証拠だと思う。
いくら食べ残しの餌があっても自然条件が悪ければ動物は生きていくことはできない。
カラスがいるから、ウグイスもいるし、ついでにタヌキもいるんだ。
自分にとって都合のいい動物だけが人間のそばにおれるわけではない。
良い動物も、不快な動物も含めて自然なのである。
カラスが多いことはそれだけ自然が豊かなんだと思った方がいい。
カラスだって一生懸命生きている。何も人間だけが精一杯生きているわけじゃない。そう思わないですか?
安部邦雄